絶好調ニトリは中国をどのように攻めるのか?

高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
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独自MDから世界共通MDに切り替え

 実際、中国事業は2018年から改革に着手し始めている。

 最も大きな取り組みは、商品政策(MD)の変更だ。これまで、日本と中国の共通の商品が少なすぎた。約70%が中国のオリジナル商品で、日本との共通商品は30%。現在、中国で展開している店舗数は、2030店舗しかないのにもかかわらず、である。

 19年2月期には、グループ全体で商品開発力、調達力、各国販売会社のシナジーを高めるため、「グローバル商品本部」を新設した。その結果、前期からグローバル共通商品の割合は、前期末で約50%になった。今期中に70%まで高めることを目標にしている。グローバル商品の比率を高めることで、日本の販売数のメリットを各国にも生かし、グループ全体の収益率を改善するためだ。

 つまり、中国独自のMDからグローバル共通のMDへと方向転換する。

 また、品質への取り組みとして、「グローバル品質保証体制」の構築をめざす。具体的には、日本で販売するためのさまざまな品質規定やマニュアルを海外でも通用するように、グローバルな視点で書き換えることで、「各国最適」ではなく、「全体最適」な品質確保を行えるようにする。

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元・日産副社長を起用!組織も全面見直し

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記事執筆者

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月より現職。

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