SCM確立でローコスト・オペレーションを実現=マックスバリュ西日本 岩本隆雄社長

聞き手:千田 直哉 (編集局 局長)
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 その視点から当社を見ると、店の段階でのローコスト・オペレーションしかないことに気づきます。やはり商品の調達から店舗への配送、販売といったトータルの取り組みによるローコスト・オペレーションは、まだまだ実現できていません。

 物流センターから店舗へ配送するにも、カートラックを使ったり、パレットのまま納品したりといったように、極力、作業を少なくなるような仕組みが必要です。9月にオープンした「ザ・ビッグエクストラ萩店」(山口県)では、人手がかからないような什器、施設を採用しました。

「マックスバリュ」と「ザ・ビッグ」の2本柱でドミナント深耕

──拡大戦略については、どのように考えていますか?

岩本 主力業態であるSSM(大型食品スーパー)業態の「マックスバリュ」とDS(ディスカウント)業態「ザ・ビッグ」の2本立てで出店していきます。「マックスバリュ」は売場面積2000平方メートル、「ザ・ビッグ」は同5000平方メートルを目安としていますが、同1万平方メートルまでの大きな規模の店にもチャレンジしていきます。

 本拠地である広島県、競合する企業が少ない山口県を重点エリアとして、出店を進めていきます。今後は、イオンリテール(千葉県/村井正平社長)と協力しながら、イオングループとしてシェア拡大を図っていきます。

──「マックスバリュ」はすでに133店舗を展開しており、収益源となっている業態です。

岩本 そのとおりです。当社の収益の基盤であり、バックボーンはしっかりしています。ただSMとしての強み、特徴が必ずしも明確ではなく、それが弱みになっていた可能性があるとも見ています。その意味では「マックスバリュ」は、転換期にあると言えます。今後、試行錯誤を繰り返しながら、さらに強い業態にしていきたいと考えています。

──もうひとつの「ザ・ビッグ」は、現在積極出店しており、31店舗を展開するに至っています。この業態では、さまざまなノンフードを単品量販する技術も磨きつつあります。

マックスバリュ西日本の出店の主軸業態のひとつ「ザ・ビッグ」。写真は平島店(岡山県)マックスバリュ西日本の出店の主軸業態のひとつ「ザ・ビッグ」写真は平島店(岡山県)。

岩本 「ザ・ビッグ」は当初、不振店の活性化対策として活用していた業態です。しかし現在は新店でも出すようになりました。EDLP(エブリデー・ロー・プライス)で低価格を前面に打ち出し、売場は単品を大量販売するスタイルです。「買えば買うほど安さがわかる」を掲げており、消費者にもコンセプトが伝わりやすい店だと思います。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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