ギャル系ファッションの雄「バロックジャパンリミテッド」は、いかに飛躍したか?

2022/10/20 05:55
    野澤正毅
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    新ブランドを開発し、郊外型SMや百貨店の販路を開拓

    enfold
    エンフォルド 丸の内店

     しかし、バロックはそれだけでなく、新しいジャンルにも挑戦した。

     ファストファッションをにらんで、デザイン性とリーズナブルな価格を両立させた、2030代向けのジーニングカジュアルブランド「アズール」は、レディスだけでなく、メンズのファッションも投入。フレグランスなどの雑貨も取扱い、ライフスタイルも提案できるようにした。

     それとともに、村井社長は、「それまでは、ファッションビルなど都心型店舗の展開がメーンだったが、アズールは、ショッピングモール(SM)をターゲットに、郊外型店舗の展開にも着手した」と振り返る。これもファストファッションを意識した、新たなチャネル戦略だった。

     アズールの第1号店は2008年、埼玉県のショッピングモールにオープン。一方で2010年、旗艦店となる大型路面店を新宿でもオープンして、ブランドの認知を図りつつ、全国展開を進めた。現在では、アズールはマウジーと並んで、売上を牽引するブランドに育っているという。

     さらに、第二のターニングポイントとなったのが、2012年にローンチしたブランド「エンフォルド」だ。同社の基幹レディスブランド「スライ」を立ち上げたデザイナー、植田みずき氏が手がけた。

     「30代キャリアをメーンとする大人の女性向けで、エレガントでありながら体にも馴染みやすくリラックスできるファッションで、“ドメスティックコンテンポラリー”というポジションを確立できた。百貨店での販売実績を積み重ねることで、『バロックはギャル系、カジュアルしかできないのでは』という偏見も解消でき、ビジネスチャンスを広げるきっかけにもなった」(村井社長)

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