シーインがアマゾン化!?気づけば周りは「シーイン」だらけの脅威
今回はShein(シーイン)の「残品」を使った海外販売の動かぬ証拠と、アマゾン化している実態について話した上で、このことが何を意味するのかを説明したい。
中国からの手紙 シーイン「残品・再販」動かぬ証拠
今回は、私のシーインの論考を読まれた、中国在住の方からのお便りをご紹介しよう。
「河合さんお久しぶりです。まずは、二つのEC販売を比較してみてください。左がSheinで右がタオバオです。これはGUUKAっていう中国のローカルブランドなんですが、いまでもECで売ってるものがSheinでも売られているのです。人民元で309元なのでシーインの価格とほぼ近いです。
たしかに、河合さんのいうとおり、中国市場だけでも巨大なので既存のブランドにとって、売れ残りをSheinが海外で捌いてくれたら、助かるし。中国だけ集中できるというのはメリットがあるように感じます」
![左がSheinで右がタオバオ。全く同じものが同時に売られている](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2022/09/Collage1.jpg)
続いて、自宅にある私の新書籍『知らなきゃ行けないアパレルの話』(ダイヤモンド社)を手に取った私の娘 (27歳) が、「パパ、確かにウチのまわりの人、パパの言うとおりシーインだらけになってきたよ」と言いだした。
冒頭の中国の方がお便りで、わざわざタオバオとシーインの「残品・再販証拠」を送ってきてくれたことに感謝する一方で、こうもあからさまに、同じモデルと同じ写真を使いながら、「中国では販売されていない」と報じられているシーインをみるに、日本と中国の常識の違いに驚きを隠しきれない。
私の周りにはシーインを買い、その完成度を確認する「おじさま」方が増えてきた。また、すっかりシーインアナリストになってしまった私に、「シーインは、Z世代だけでなくミドルエイジ、それ以上の層も攻めるのか?」という質問も来るようになった。
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