企業物価、5月も過去最高=飲食料品さらに値上げも―日銀

時事通信
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日本銀行
日銀が10日発表した5月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は、過去最高を更新した4月と同じ112.8となった。(i-stock/Manakin)

 日銀が10日発表した5月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は、過去最高を更新した4月と同じ112.8となった。前年同月比では9.1%上昇し、15カ月連続のプラス。ロシアのウクライナ侵攻を背景に進むエネルギーや原材料の価格高騰に円安が重なった影響が大きい。分野別の指数では飲食料品が最高を更新しており、食品の値上げがさらに広がる可能性もある。

 企業物価指数は、企業間で取引されるモノの価格を示す。

 分野別の指数を見ると、飲食料品は105.9と過去最高を更新した。前年同月比では4.6%の上昇。飲食品メーカーでは原材料価格の高騰を消費者への販売価格に転嫁する動きが始まっており、仕入れコストの上昇を企業努力で吸収できなければ食品の値上げが続きそうだ。

 日銀は今後の動向について「小麦や菜種、肥料などの価格も上がってくるとコスト上昇となるため(値上げ)圧力はある」との見方を示した。

 日銀によると、調査対象の515品目中、8割を超える426品目が上昇。原材料価格の上昇に加え、物流費や人件費の増加も押し上げ要因となり、幅広い品目で価格が上昇した。

 他の分野別指数では、木材・木製品が56.1%増、鉄鋼は29.8%増と大幅上昇。政府の激変緩和措置の効果で石油・石炭製品は4月に比べて伸び率は縮小したものの、上昇率は21.6%と依然高水準。

 5月の輸入物価を円ベースで見た指数は、前年同月比43.3%上昇。為替相場が急速に円安となった影響で、比較可能な1981年以降で最大の上昇率となった。

 日銀は今回から指数水準を100とする「基準年」を15年から20年に改定した。これに伴い4月以前のデータも変更になった。

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