アマゾンが商品の選択肢を制限するのはなぜ? ECの「選択のパラドックス」を考える

山中 理惠 (Rokt 日本代表)
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顧客へのオファーはパーソナライズする

 カート(買い物カゴ)は、利用者に最も負担をかけたくないページです。このページに顧客がカゴに入れた商品の上位商品や会員プログラム、アプリのインストールキャンペーンなどを詰め込んでしまう小売企業のサイトも多いですが、これは逆効果。カゴ落ち(顧客がカートに商品を入れたものの、購入に至らずサイトを離れてしまうこと)の割合を一気に高める要因になります。

 とある調査(出典:2021 Baymard Institute)では、平均で69.57%の消費者がオンライン購入完了前にカゴ落ちしているという結果も出ており、さらに購入を検討中の利用者の39%が、購入手続きのプロセスを面倒に感じています。この原因となっているのは、ほかでもない「決定麻痺」です。これを予防するために必要なことは以下の2つです。

 ①「オファー・製品・サービスのパーソナライズ」:チェックアウト(購入手続き)では、パーソナライズされたオファー・製品・サービスのみを表示し、顧客体験を向上させるのがベストです。購入手続きページはシンプルかつ、消費者への関連性を保つことに注力してください。

 ②「購入・お支払いページはシンプルに」:購入手続きの際に利用者が気後れしてしまうと、カゴ落ちしがちです。これを回避するためには、無駄を抑え必要な情報だけを提供することが重要です。

 

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記事執筆者

山中 理惠 / Rokt 日本代表
グローバルITベンダー、大手コンサルティングファームを経て、複数のスタートアップ企業のGTMやマーケティング戦略に携わる。その後、ITからいわゆるDXにフォーカスを絞り、デジタルマーケティングの初期からSEMやソーシャルメディアの拡大に関わる。2018年から、Rokt(ロクト)の日本代表として国内市場立ち上げと拡大を担う。

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