インバウンド最新事情 ドラッグストア各社が大阪、札幌、東京で新たな動き

ダイヤモンド・ドラッグストア編集部
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 子供用紙オムツ「メリーズ」(花王)に続き、「ムーニー」(ユニ・チャーム)や「グ?ン」(大王製紙)まで割当販売を実施するチェーン(店舗)が登場するなど、依然として衰える気配を見せないインバウンド需要。中国政府による自国通貨・元の利率引き下げや一連の株安など、不透明な材料もある中で、ドラッグストア(DgS)各企業は引き続き旺盛な需要の受け皿づくりを進めている。

 6月号の特集でも大きく伝えた大阪では、ツルハが道頓堀から千日前エリアに新たに2店舗を相次いでオープンした。5月22日に開店した「戎橋店」は、同エリア1号店である「道頓堀店」の裏側、「シティドラッグ北戎橋店」の真横に開店したことが注目を集めている。同店へは8月上旬に訪問したが、両店ともに中国人訪日客を中心とした来店客で混み合っていた。もう1つの新店舗「千日前店」は、同エリアで展開する「ビックカメラなんば店」の真裏で6月12日に開店。なおツルハの2店の新店舗の店舗形態だが、「道頓堀店」同様、2階建て(1階に医薬品、2階に化粧品)となっている。

 この動きと並行して「マツモトキヨシ心斎橋南店」では大幅な売場レイアウトの変更を実施。これまで店の入口付近にあった非免税レジが消滅している。

 さらにDgS業界以外の話題では、ドン・キホーテが「道頓堀店」から御堂筋側約150メートルほどの場所に、インバウンド強化型店舗として「道頓堀御堂筋店」を6月22日に開店したことが挙げられる。

 一方、北海道の札幌では、すすきの地区の狸小路に6月、サッポロドラッグストアーが「インバウンドの旗艦店」と位置づけて2つの新店舗(狸小路5丁目店=6月10日、狸小路4丁目店=6月25日)を出店したことが話題になった。狸小路はマツモトキヨシやココカラファイン、コクミン(2店舗/1店舗は今年4月に開店)、サンドラッグが既に出店。近隣にはツルハやダイコクドラッグなども店を構える激戦区である。サッポロドラッグストアーは出店の理由として「狸小路商店街は札幌市中心部に位置し、飲食店、お土産店、ディスカウントストア、宿泊施設など魅力的な店舗が数多くあり、近年、外国人観光客から人気の観光スポットとして注目されているから」を挙げていたが、その言葉通り、開店から約2カ月が経過した8月中旬現在は2店舗とも好調な動きを続けていると言われている。

 東京では、7月21日に中堅DgSのユニバーサルドラッグが浅草地区に「浅草六区店」を、7月25日にアインファーマシーズが「アインズ&トルペ新宿東口店」をそれぞれオープンしたが、そのうちアインファーマシーズでは、9月に本拠地・札幌(地下鉄「大通駅」直結)で売場面積約450坪の大型店「アインズ&トルペ札幌ル・トロワ店(仮称)」をオープンする予定があり、この開店を機に改めて「インバウンド需要の取り込みを仕掛ける」(鈴木香織物販事業部長)としていることから、札幌でのインバウンド需要の“取り込み合戦”はますます加熱しそうだ。

 なおDgS業界以外の動きだが、セブン-イレブン・ジャパンが7月9日、昨年12月から観光庁の「インバウンド拡大プロジェクト」の一環として約30店舗で実施していた「免税サービス」を、7月までに約1000店に拡大することを発表した。その理由について同社では「サービス実施店舗だけでなく、全国のさまざまな店舗での需要拡大が確認できたため」としている。

 

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