AIレコメンドにスキャン漏れ防止機能…トライアルの新たな「スマートショッピングカート」の特徴を紹介!

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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完全AI化したレコメンド機能

  さらに今回の新モデルで注目したいのが、完全AI化したレコメンド機能だ。約270億件のID-POSデータを情報化した社内開発のレコメンデーションアルゴリズムを使用し、利用者の属性や購買履歴をもとにパーソナライズされたレコメンドが可能となった。これまでもレコメンド機能はあったものの、主に事前に設定した商品を表示するもので、アイテムも数百ほどだったが、今回は数千規模の商品の中からおすすめ商品を表示できるようになったという。商品をスキャンした際、画面の右側には購入商品のリストが、左側にはおすすめ商品が購入確率が高い順に表示される仕組みとなっている。現行のモデルを導入しているトライアルの店舗では、レコメンドのシステムを順次最新のものに置き換えていく考えだ。

商品をスキャンすると、画面左にパーソナライズされたおすすめ商品が表示される
商品をスキャンすると、画面左にパーソナライズされたおすすめ商品が表示される

 また、新モデルでは初期費用を抑えるため、月額のサブスクリプションプランを新設した(価格は未定)。導入のハードルを下げ、将来的には国内だけでなく海外も含め、グループ内外の企業への展開を積極的に進めたい考えだ。現在はトライアルと丸久の計38店舗に3640台の「スマートショッピングカート」が導入されているが、21年内にはグループ内外で合計63店舗、6500台の導入をめざす。

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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