「田町」駅徒歩圏内、都心立地の小型店!「オーケー札の辻店」の売場を解説

2023/10/04 05:58
経営コンサルタント事務所 アズライト/代表:榎本博之
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「高品質」の打ち出しに注目

 続く鮮魚売場は、壁面が冷蔵、対面が冷凍と、管理温度帯が明確に分けられたレイアウトになっている。売場トップは壁面側が刺身、対面側が鰻となっている。刺身は20SKUで、そのうちマグロだけが5SKUを揃えており、他のスーパーマーケットと比較しても豊富な部類に入るだる。

 鮮魚商品の価格は500円台から2000円前後まで幅を持たせており、リーズナブルというだけでなく、質を追う姿勢を意識しているのがわかる。欠品しているアイテムも一部あり、商品はよく動いているようだ。また、刺身においては、限定店舗での取り組みとなっている「急速冷凍」のシールやPOPでの表示がなされていた。

 オーケーでは「Everyday Low Price」に加えて「高品質」を経営方針に掲げているが、「質」については仕入れだけでなく、流通や加工段階での設備投資によってなされているものが多い。作業や品質維持を属人的なものにせず、誰もが効率的にできる仕組みにするため、オーケーは積極的に投資している。総菜のピザの焼き加減をAIによって判断するシステムをはじめ、作業効率を図るDX(デジタル・トランスフォーメーション)導入などがその一例だ。

 鮮魚でも高品質がうまく訴求されており、たとえば要冷凍の売場においては、定番の塩干やエビ、イカをはじめ、カニなどを使った「魚肉バーグ」「ブリカツ」「釜めしご飯の素」など簡便商品を豊富に揃えており、「ブリカツ」に使用している「鰤王」は、要冷蔵の売場で切り身としても販売している。要冷蔵と要冷凍のアイテムに取り扱いのダブりがなく、お客が迷わずに購入できるようにしている点も目を引いた。

簡便商品の「シーフードバーグ」
ブリは「鰤王」ブランドとして、切り身だけでなく、加工品としても提供している

 一点だけ気になったのが、要冷蔵の上段で展開していたアラだ。取り扱いアイテム数が多く、売場自体の狭さもあってか、やや窮屈な陳列になっている印象だ。

 後編では、精肉、総菜の売場を見ていこう。

(店舗概要)
所在地 東京都港区芝5-36-4 (札の辻スクエア 2階)
営業時間 08:30-21:30
駐車台数 52台(札の辻スクエアの有料駐車場)
売場面積 757.97㎡ (229.30坪)

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