コロナ後のコスト高騰下で小売業のボーダレス再編が進む理由とは 直近の再編総まとめ!

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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食品小売と接近するウエルシアとアオキ

 上位集中が進みつつあるドラッグストア(DgS)業界でもさまざまな動きがあった。

 これまでも積極的なM&A戦略で成長を図ってきた最大手のウエルシアホールディングス(東京都)は、22年6月にコクミン(大阪府)と同社関連会社を完全子会社化、同年12月には沖縄地盤のDgS企業ふく薬品を連結子会社化した。

 さらに同社はイオン九州(福岡県)とともに合弁会社・イオンウエルシア九州(福岡県)を設立。フード&ドラッグの新業態「ウエルシアプラス」の出店を進める計画で、今年4月には第1号店を福岡県内に開業している。

ウエルシア
ウエルシアHDはイオン九州と合弁会社イオンウエルシア九州を設立。フード&ドラッグの展開を進める

 同じ食品強化という文脈では、クスリのアオキホールディングス(石川県)の動きも無視できない。同社は20年6月に同じ石川県のSM企業ナルックスを買収したのを皮切りに、各事業エリアの地場SMを相次いで傘下に収めていった。この約1年間でも一二三屋(福島県)、ホーマス・キリンヤ(岩手県)と同社関連会社を吸収合併、三崎ストアー(石川県)、サンエー(新潟県)のSM事業を譲受。各SMの店舗を順次「クスリのアオキ」に転換し、生鮮をはじめとする食品強化型店舗を拡大している。熾烈な競争下で中小SMの経営状況は厳しくなるなか、クスリのアオキがさらなる買収を進める可能性は高い。

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