コスモス、アオキが本腰! 大手ドラッグストアが調剤併設を急ぐ理由

ダイヤモンド・ドラッグストア編集長:小木田 泰弘
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大手ドラッグストア(DgS)企業が調剤併設推進へアクセルを踏み込む。コスモス薬品(福岡県)は2021年5月期決算説明会で調剤事業への本格参入を発表。クスリのアオキホールディングス(石川県:以下、クスリのアオキHD)は22年5月期に薬局100店舗の新規開局を計画。大手DgS企業による処方せん獲得競争の号砲が鳴った。 

ウエルシア調剤
ウエルシアHDは2022年2月期に調剤薬局164店舗を新規開局する(海外2店舗含む)

業種・業態の枠を超えた処方せん獲得競争がスタート

 「いよいよ面分業の時代が始まると判断し、このタイミングで調剤薬局事業への本格参入に踏み切ることにした」──。

 コスモス薬品の横山英昭社長は7月15日の2021年5月期決算説明会で高らかに宣言した。

 同社は調剤市場への参入タイミングを慎重にうかがっていた。横山社長は19年にオープンした調剤併設の西葛西駅店(東京都江戸川区)と広尾駅店(東京都渋谷区)について、「これは本格的な面分業時代の到来に備えてのもの。即座に収益性を考えているわけではない。調剤薬局併設は、来るべきタイミングには、一気に郊外型にも広げる」と話していた(19年5月期決算説明会)。

 同社が本格的に調剤薬局事業への参入を決めた理由は、“必要十分条件”が同時に満たされたと判断したからだ。必要条件とは「処方せんが面で獲得できること」、一方の十分条件とは「薬剤師が採用できること」。さらにコロナ禍の中で門前薬局の処方せん枚数が大きく減少したことに加え、21年8月からスタートした認定薬局制度も無関係ではない。

 認定薬局制度では25年までにすべての薬局が「地域連携薬局」や「専門医療機関連携薬局」、あるいはどちらにも属さない「その他の薬局」に分類される見通しで、薬局の淘汰が大きく進むとみられている。もはや薬局と調剤併設型ドラッグストアの垣根はなくなり、21年8月から調剤市場へ参入した食品スーパーのオーケー(神奈川県)の例からもわかるように、すでに業種・業態の枠を超えた処方せん獲得競争がスタートしている。

 この競争に乗り遅れまいとコスモス薬品は調剤薬局事業への本格参入に踏み切ったのだ。

 同社は21年5月期末時点で10店舗の薬局を展開しており、22年5月期以降は既存店を含めて毎期20~30店舗の併設薬局を新規開局する計画だ。

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