調剤がドラッグストア業界の成長をけん引!

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在宅医療への取り組みが本格化

龍生堂の調剤室
龍生堂本店は、デジタル化などで対物業務の負荷が軽減された時には、非調剤時の対人業務としてOTCへの対応が重視されるようになることを見据える

 有力DgS企業はどのような調剤成長戦略を描いているのか。

 日本最大の調剤併設DgS店舗網を持つウエルシアHDは、中期計画(21年2月期~23年2月期)において「在宅(調剤)への取り組み」を調剤部門の重点取組事項に挙げている。23年2月期からは在宅医療への取り組み強化の一環で、「ウエルシア訪問薬局」の本格展開をスタートさせた。同薬局は施設に入居する患者向けに特化した新しい薬局フォーマット。22年4月末時点で「ウエルシア訪問薬局」は3施設ある。22年5月には兵庫県尼崎市、6月には埼玉県春日部市に「ウエルシア訪問薬局」を開局する予定だ。

 スギ薬局は『患者のための薬局ビジョン』を受け、薬剤師が対人業務に専念でき、利用者が快適に滞在できるような環境づくりを行なってきた。具体的には、既存店改装を通じて待合室を拡大するほか、調剤室の設備機器などを見直した。後者については、患者とコミュニケーションできる時間を増やすため、機械化により調剤業務の効率化も図っている。加えてデジタルツールも充実。同社の「トータルヘルスケア戦略」に基づき、在宅医療への対応に特化した強化店舗の本格展開もスタートさせている。

 トモズは調剤併設型DgS・薬局に新たな機能を付加することで、経営テーマに掲げる「医療の提供」を追求している。昨年から調剤の機能強化を念頭に置いた改装、出店を実施。心地よい空間づくり、ヘルスチェック機器の設置、管理栄養士による薬を服用している人への健康相談会の開催等の取り組みを開始している。

 龍生堂本店は、今後のあるべき薬局の姿を追求していけば、極端に医療機関が少ない場所でない限り、処方せん枚数を維持できるとみている。また、デジタル化などで対物業務の負荷が軽減された時には、非調剤時の対人業務として一般用医薬品(OTC)への対応が重視されるようになることを見据える。そこでは薬剤師には、調剤だけでなくヘルスケア領域の知識も必要になると同社は考えている。

 大賀薬局は調剤薬局事業において地域住民が「何でも聞ける」「いつでも聞ける」ような「相談薬局」を方針に掲げる。同社発のヒーロー『薬剤戦師オーガマン』による薬物治療の啓もう、在宅医療への取り組みなど地域に根ざした「かかりつけ薬局」になるべく薬剤師の教育へ特に注力している。

 4月27日、政府の規制改革推進会議は「医療・介護・感染症対策ワーキング・グループ」を開催し、今夏に公表が予定されている「規制改革推進に関する答申」に向けた検討項目案を提示。その中に「薬剤調製の外部委託」を可能とすることを記載した(『ドラビズon-line』より)。「薬剤調製の外部委託」が可能になればDgS企業の調剤事業にも影響が及ぶことになる。有力DgS企業の調剤成長戦略に変化はあるか──。

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記事執筆者

1979年生まれ。2009年6月ダイヤモンド・フリードマン社(現ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」誌の編集・記者を経て、2016年1月から「ダイヤモンド・ドラッグストア」誌副編集長、2020年10から同誌編集長。

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