コメ兵、セカスト、ブックオフ……好調リユース業界の動向を解説!

棚橋 慶次
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持続可能社会の実現に向けた買取業者のミッションと課題とは…

 リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の3Rを通じて循環型社会の構築をめざす「3Rイニシアティブ」は、2004年のG8サミットにて小泉純一郎首相(当時)が提案したコンセプトだ。20年近い歳月がたち、この3Rがようやく社会にも浸透してきた。今後、リユース業者は、リユースを円滑に普及させる媒介としてのミッションがより求められることになるだろう。

 一方で、リユース事業に立ちはだかる最大の懸念材料が、フリーマーケットアプリなどのオンラインビジネスの存在だ。たとえば フリーマーケットアプリ大手のメルカリの急成長は途切れることなく、直近4年間でアクティブユーザー数は倍増し、2000万人を超えている。リユース事業のパイ自体が増えているとはいえ、実店舗を中心とするリユース各社はスタッフ人件費・家賃などの店舗運営コストが重くのしかかり、ECとのコスト競争はどうしても不利だ。

 もちろん、品質面における「安心・信頼」はリアル店舗のアドバンテージだ。一方でユーザーには、「店舗に持ち込んだら5円といわれたものがメルカリに出品したら200円で売れた」など、売り手からみた価格優位性という点では既存リユース業者が強みとならない点もある。リアル店舗や信頼という強みを活かしつつ、広がる個人間取引(CtoC)にはない価値を追求できるか、リユース業界にとっての正念場だ。

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