アクシアル、グループの人事体制を大きく変更 ねらいと今後の成長戦略

2023/02/16 05:55
大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
Pocket

M&Aも見据えて
10年内に200店体制へ

 今回の機構改革は、流通小売業界における競争が激化するなか、アクシアルのいっそうの成長意欲を感じさせるものである。

 原社長は今後のビジョンについて次のように語っている。

 「アクシアルとしてチェーンストアの規模を享受できるといわれる200店舗の達成をめざしており、これの目標に10年以内に到達したい。

 出店については立地の確保が難しくなってはいるものの、数年先まである程度の出店見込みが立っている。今後もキャッシュフローの範囲内で出店を重ねていきたい考えだ。

 一方、M&A(合併と買収)による新たな提携先の獲得も視野に入れている。さまざまな話を多数いただいており、よい話があれば前向きに検討していきたい」。

00店舗の達成をめざしており、これの目標に10年以内に到達したい。
アクシアルは10年以内に200店舗体制の達成をめざす

 このように大きな機構改革、人事異動を発表したアクシアル。同日発表された同社の2023年3月期第3四半期連結決算は、売上高が対前年同期比3.7%増の1925億円、営業利益が同1.3%減の86億円だった。

 営業利益は、水道光熱費等の各種コスト増により減益だったが、売上高は新規出店や人流の回復などにより、収益認識に関する会計基準等の組み替え影響を除外した実績では、第3四半期連結累計期間において過去最高だった。

 注目したいのが業態を越えた競争が激化するなか既存店客数を100.4%と伸ばしている点だ。商品価格の値上げ等の影響による1品単価の増加により客単価も101.2%となり、既存店売上高は101.6%となっている。

 今回の機構改革でアクシアルがどのように強さに磨きをかけていくのか注目したい。

1 2 3

記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態