ウエルシアが効率よりも「お客の健康寿命延伸」を優先する理由は

有田英明
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ウエルシアホールディングス(以下、ウエルシア)急伸の背景には、明確な戦略がある。店づくりとしては調剤併設、カウンセリング化粧品、雑貨と食品の充実、生鮮食品の導入、そして52週MD(商品政策)である。コスト削減による効率優先の経営では、人口減少時代では生き残れない。ウエルシアは顧客満足を高めるために果敢に挑戦している。

お客の健康寿命を延伸するヘルスケア売場

 人生を幸せに過ごすうえで最も大事なのが健康である。ウエルシアのヘルスケア売場とオーラルケア売場の使命は「お客の健康寿命を延伸する」ことである。

 もちろん売場効率も重要である。しかしウエルシアは効率よりも顧客満足を優先している。つまりウエルシアは効率よりもお客の健康寿命を延伸する店づくりを優先している。お客からすれば、ウエルシアを利用することで健康が促進されるのだから繰り返し来店してお得意さまになる。

 ウエルシアはお客の健康寿命を延伸する高品質商品を積極的に売場で提案している。顧客満足度とリピート率が高く、お得意さまをつくる高品質商品のことを、ウエルシアでは「ファーストチョイス商品」と呼んでいる。

 ヘルスケア売場は「治療」だけでは差別化できない。たとえば頭が痛い、お腹が痛い、下痢が止まらないとき、お客はいちばん近い店に行くだけだからだ。ウエルシアのヘルスケア売場とオーラルケア売場は、治療は当たり前であり、お客一人ひとりの予防と健康に貢献する高品質商品と情報を提供している。体質改善と元気づくりに必要なファーストチョイス商品と情報を提供している。

 ただしこの戦略には問題もある。どんな高品質商品であっても、お客は使ったことがない商品のよさはわからないことだ。つまりヘルスケアとオーラルケアの高品質商品は「売るのが難しい」という高いハードルがある。高品質商品を販売活力化するための「需要創造MD」と、そのための店スタッフの教育が最重要課題になるわけだ。

カウンセリング化粧品とビューティアドバイザー

 「日本一になる」戦略として、ウエルシアは

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