レシートは語る第3回ヤオコー コロナ禍で突出して業績を伸ばせた理由
“優等生”ならではの高スコア!
一方で低評価な品種も・・
最後に商品カテゴリー別の消費者からの評価をみてみよう。図表3は、競合他社よりも総合的(品揃え・商品と価格のバランス・鮮度など)に判断して、「優れている」と答えた人の割合をグラフで示したものだ(複数回答)。
ヤオコーは生鮮3品においての評価が「精肉(41.4%)」「鮮魚(31.5%)」「青果(30.1%)」とすべて3割を超えているのが特徴だ。また「総菜(24.7%)」や「地場野菜や地元の食材(19.2%)」のポイントも高い。
一方で、最近ヤオコーが直輸入ワインなどの品揃えを拡充している「酒類」や、需要の伸長を受けて多くのチェーンが販売を強化している「冷凍食品」については、相対的に評価が低い結果となった。
食品スーパー業界の“優等生”と言われることも多いヤオコー。その名が表すとおり、食品スーパーのなかでも重要カテゴリーである総菜を含む生鮮4品において総じて高いスコアを叩き出している点が、コロナ禍でひときわ業績を伸ばすことができた大きな要因と言えるのではないだろうか。
【調査概要】
調査対象:全国のPOB会員アンケートモニター 3362人
調査日時:2021年4月3日~5日
調査方法:インターネットリサーチ
調査機関:ソフトブレーン・フィールド
【データ詳細】
図1)POBデータより算出
1月レシート枚数 ヤオコー(1514枚)、 イオン(9779枚) オーケー(3365枚)、 ライフ(5005枚)
9月レシート枚数 ヤオコー(2144枚)、 イオン(1万4515枚) オーケー(5884枚)、 ライフ(7651枚)
【執筆者】
山室直経(やまむろ・なおつね)
神奈川大学経営工学科卒業。パソコンメーカーを経て、米リサーチ会社にてコンサルティング業務を学ぶ。その後、大手家電量販店子会社のパソコンメーカーで経営企画室に従事。計数管理とERP導入による業務改善などのプロジェクトを経験した後、2012年3月ソフトブレーン・フィールド入社、消費者購買データ事業の新規立ち上げを行う。
現在はデータを軸とした事業開発と当社の基幹システムのDX戦略を担う