武田薬、大衆薬事業をブラックストーンに売却 医療用薬品に注力

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武田薬品工業のロゴ
武田薬品工業は8月24日、ビタミン剤「アリナミン」などを手掛ける大衆薬子会社の武田コンシューマーヘルスケアを米投資ファンドのブラックストーンに売却すると発表した。写真は同社のロゴマーク。2018年7月に本社で撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon/File Photo)

[東京 24日 ロイター] – 武田薬品工業は24日、ビタミン剤「アリナミン」などを手掛ける大衆薬子会社の武田コンシューマーヘルスケアを米投資ファンドのブラックストーンに売却すると発表した。売却額は同子会社の企業価値2420億円に、純有利子負債などを調整して確定する。同社は、医療用医薬品での新薬の研究開発に注力する。

武田のクリストフ・ウェバー社長は会見で「武田は医療用医薬品にフォーカスしており、コンシューマー事業には十分なレベルの投資が難しい。成長のためにベストな結論」と売却の理由を説明した。同社は、消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)の5つの領域を主要領域と位置付けている。

武田は2019年1月にアイルランドの製薬大手シャイアーの買収を完了。ウェバー社長は「今回の売却とシャイアー買収は全く関係ない」とするものの、今回の売却によって、シャイアー買収時に打ち出した100億ドル規模の非中核事業売却の方針が達成されることになる。負債を圧縮し、医療用医薬品の新薬開発に経営資源を振り向ける。

武田薬は約1400億円の株式売却益を見込む。当期利益は1050億円上積みされる見通し。株式譲渡実行日は21年3月31日。

新しい社名はこれから決まるが、社名から「武田」は外れることになる。

ブラックストーンのプライベート・エクイティー部門日本代表を務める坂本篤彦氏は「我々のヘルスケア・コンシューマーセクターにおける国内外のネットワークや知見を最大限活用し、積極的なアジア展開を進めるなど、武田コンシューマーヘルスケア社のさらなる成長に貢献することができると確信している」とのコメントを発表した。

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