米アップル、年末商戦期の見通しが予想上回る 四半期決算も好調

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米アップルが30日発表した第4・四半期(7─9月)決算は、売上高と利益が予想を上回った。また、年末商戦の見通しも市場予想を上回った。メキシコ市で9月撮影(2019年 ロイター/CARLOS JASSO)

[30日 ロイター] – 米アップルが30日発表した第4・四半期(7─9月)決算は、売上高と利益が予想を上回った。また、年末商戦にかかる第1・四半期(10─12月)の見通しも市場予想を上回った。

7─9月期の売上高は640億4000万ドルで、1株利益は3.03ドル。リフィニティブのアナリスト予想である629億9000万ドルと2.84ドルをそれぞれ上回った。

10─12月期の売上高見通しは855億─895億ドル。中央値はアナリスト予想の869億ドルを上回った。

決算発表を受け、株価は引け後の時間外取引で約2%上昇した。

ティム・クック最高経営責任者(CEO)はロイターとのインタビューで10─12月期の見通しについて、新型のiPhone11シリーズが「極めて好調なスタート」を切ったほか、ワイヤレスイヤホン「エアポッド」、腕時計型端末「アップルウオッチ」の販売やストリーミングサービスが伸びていることを踏まえたものだと説明した。

米中貿易摩擦が解決に向かうことも見込んでいるとし、「すべてを把握しているわけではないが、いずれは解決するだろう。今四半期中の解決を望んでいるが、状況を見守ろう」と語った。

7─9月期のiPhone売上高は333億6000万ドル。4四半期連続で前年比減となったが、アナリスト予想の324億2000万ドルは上回った。

10─12月期の予想を上回る業績見通しは、一部モデルの値下げを受けてiPhone販売が勢いを取り戻していることを示唆した。

アップルは9月に発売したiPhone11の価格設定を699ドルからとし、前年発売の機種から50ドル値下げした。

クックCEOは、この価格設定がiPhoneユーザーの増加や買い替えを促したとの見方を示した。

クレジットカード「アップルカード」やストリーミングなどを含むサービス部門の7─9月期売上高は125億1000万ドル、アップルウオッチやエアポッドなどで構成するアクセサリー部門は65億2000万ドルで、アナリスト予想の121億5000万ドルと60億ドルをそれぞれ上回った。ウエアラブル端末の売上高は前年比54%増加した。

クック氏は「ウエアラブルにとってすばらしい四半期だった」としたほか、決済サービスから検索広告、音楽配信、アプリ配信、クラウドまで非常に幅広いサービスが記録を更新したと述べた。

電話会見で同氏はまた、アップルカードを使ってiPhoneを購入する顧客には24カ月間無金利で支払いを分割できるようにすると明らかにした。

地域別では、中華圏の売上高が2.4%減の111億3000万ドルと、比較的小幅な落ち込みにとどまった。アップルは今年、中国でiPhoneを値下げしており、販売減の鈍化に寄与した。

アップル株に投資するニューイングランド・インベストメント・アンド・リタイアメント・グループのジョン・ハム氏は「この環境での2%減は良い結果だ」と評価した。「中国の顧客は貿易戦争相手の米国の代表的な企業であるアップルに制裁を加えてはいないようだ」とした。

クック氏は、中国ではiPhone販売が第4・四半期の終盤に盛り返したほか、サービス部門の収入が2桁台の伸びとなり、ウエアラブルの増収率は会社全体を上回ったと説明。

「iPhoneは今年前半と比べて著しく回復した」との見方を示した。

アップルの株主キャピタル・インベストメント・カウンセルの首席エコノミスト、ハル・エディンズ氏は、アップル株上昇の背景には米国の利下げや景気減速を示すデータがあると指摘。「投資家はハイテク大手の『保証された成長』に資金をつぎ込むよう背中を押されていると感じている」と分析した。

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