長引くコロナ禍でもわざわざ足を運びたくなるチラシを簡単につくるコツ

竹内謙礼 いろは代表取締役
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新型コロナウイルス拡大で買い物は手短かに済ませたいという人も多い。小売店は、その短い買い物時間のなかでいかに効率よく情報を届けることができるかを考える必要がある。普段のチラシやポスティングも、通常の販促物とは違った切り口の情報発信が求められる。そのポイントを経営コンサルタント竹内謙礼氏の著書「巣ごもり消費マーケティング」から紹介する。

Tree4Two / istock
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新規顧客獲得のチラシやポスティングはお得感重視で

 地域のお客様を集客するための新聞折り込みチラシやポスティングは、不特定多数の人の目にふれるものなので、自粛ムードが緩やかに解禁されたタイミングでおこなっていかなければいけない。消費者が自宅に待機している状態なので、配布すれば販促物は読まれる可能性が高く、地域内のお店の情報であれば、外に出るきっかけにもなるので、好反応が得られることが予想される。

チラシやポスティングは不特定多数の人が閲覧するので、セールのメインタイトルはコロナ禍を意識させる露骨な表現にしない。オーソドックスで、なおかつお得感が伝わる表現を用いる。

消費が鈍い状況なので、価格訴求の高い目玉商品をアピール。悩みごと解決型のキャッチコピーをつけたほうが、付加価値が高まる。販売個数を限定して、「今、買いに行かなくては」とお客様に思わせる工夫が必要。

写真付きで感染予防策を提示。文章やイラストによる説明よりも、写真のほうがイメージが伝わりやすい。写真だけではわかりにくい感染対策は、キャプションで解説を添えること。

クーポン券をつけて、来店の背中押しをする。大きく目立つようにクーポン券を作るのがポイント。チラシの隅に三角形で切り取り線をつけるクーポン券は目立たず、反応が鈍くなるので注意。『がんばりますクーポン券』というような名称にして、使いやすくしてあげるのも一手。

目玉商品以外のお得な商品を多く掲載し、チラシに賑やかしさを出す。福袋のような、明らかにお得感があるポジティブな企画はお客様の反応もいい。

配達やWEB接客などの非対面サービスも紹介するといいだろう。写真付きでわかりやすく解説するのがポイント。なじみのないサービスなので、メリットを箇条書きで並べると、お客様に要点が伝わりやすくなる。最初のファーストコンタクトは電話、もしくはQRコードを掲載してネットからの問い合わせを強化するといい。

景気低迷期は「商品を長く使う」という人が増えるので、販売だけではなく、リフォームや修理の案内をアピールするのもいいだろう。同じ商品を修理して長く使ってくれるお客様は質がよく、所得も高い傾向にある。これを機会に取り込んでみるといいだろう。

下取りも、景気低迷期には好評な企画となる。現金買取ではなく、自社の商品券と引き換えにして、購入機会を増やしてあげるのも一手。お客様の自宅に引き取りに行くサービスは、新規の巣ごもり消費者の獲得にもつながる。

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