クスリのアオキHDがM&Aを加速! ついに四国にも進出へ 

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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クスリのアオキにとってM&Aの意義はより大きく

クスリのアオキ外観
出店コストが高騰する中、地場SMのM&Aの重要性はより高まっている

 クスリのアオキHDはママイの子会社化と同時に、岐阜県関ケ原町でホームセンター1店舗を運営するウッドペッカー、静岡県富士宮市で食品スーパー3店舗を展開するスーパーよどばしおよびヒバリヤからの事業譲受も発表している(いずれもママイ同様に1月5日の取締役会で決議、3月1日付で事業譲渡)。これにより、20年のナルックス(石川県)の子会社化以降、計12社のM&Aを実行することになる。

 青木社長は、「ナルックスやフクヤ(京都府)についてはM&Aから3年以上が経つが、売上だけでなく利益面でも全店平均を上回るような伸びを示している」と、これまでのM&A戦略の効果を強調。さらに、「出店数が減少している中でM&Aが出店の上乗せになっている」と言及した。

 実はクスリのアオキHDは24年5月期通期の出店数について、期初計画の70店舗から25店舗少ない45店舗に下方修正することを明らかにしている。その最大要因は昨今の建築費の高騰だ。ここ数年100店舗前後の高速出店を続けてきた同社にとっても、出店計画を見直さざるをえない状況となっている。

 そうしたなかで、既存の店舗をそのまま手中にできるM&Aが出店戦略上、これまで以上に重要な意義を持っていることは明らかだ。青木社長は来期以降の出店戦略について、「四国での出店拡大や、さらなる地場スーパーのさらなるM&Aを絡めながら、出店スピードを戻していきたい」と言及。今後、クスリのアオキHDの動きが国内各地の競争環境を一変させることになるかもしれない。

 

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記事執筆者

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2016年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)。

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