出雲に日光、名所に続々ショップをオープンする「ビームス」が目指す地方創生とは

2023/07/07 05:57
堀尾大悟
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リアル店舗の存在が地域のコミュニティのハブになる

ビームス ジャパン日光の通行手形
ビームス ジャパン 日光の通行手形

 出雲、日光の両店舗はいずれもビームスの直営ではなく、地元企業とフランチャイズ(FC)契約を締結。採用されるスタッフもほとんどが地元住民で、地域に愛着のある人が自ら接客・発信するスタイルにこだわる。

 「契約形態としてはFCだが、任せきりにするのではなく商品開発やスタッフの教育など、私たちも地域に入ってパートナーとともに進めている」と、武田氏はパートナーシップの重要性を強調する。地域のキーパーソンや企業の持つネットワークと、ビームスの目利き力・MD力とが相乗効果を生み、新たなコラボ商品などのアイデアが実現している。

 「地域にリアル店舗を出したことで、あらためて多くのメリットを感じている」と、鈴木氏はゲートストアプロジェクトの手ごたえを口にする。

 「リアル店舗の存在が、単なるショップ機能だけでなく、その地域におけるコミュニティのハブ機能を担っている。店舗を中心に行政や地元のキーパーソンなどとのつながりができ、地域でのネットワークが広がっている。この『地域とつながる』感覚は、東京で打ち合わせするだけでは決して得られない」

 地域での体温のあるつながりから、バイヤーだけでは見つけられない地元のコンテンツを教えてもらったり、自力では接触が難しいキーパーソンも紹介してもらえたりする。そこからさらにアイテムを充実させ、ショップの魅力を高めることができる。リアル店舗を起点とした、ネットワークと商品開発の好循環が生まれている。効果は数字にも表れており、出雲、日光ともに、対予算比で130140%増と好調なスタートを切っている。

 今後の展開として、鈴木氏は「具体的な地域はいえないが、15店舗は出店したい」と意気込む。どんな名所景勝地にショップが生まれ、どんなアイテムに光が当てられるのか。「ビームス×地方」の“ダブルネーム”でもあるゲートストアプロジェクトのこれからに注目したい。

ビームス ジャパン出雲
ビームス ジャパン 出雲ではポーチも人気
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