プロ市場を積極的に開拓するコーナン商事、小型戦略フォーマットで香川県へ初進出
コーナン商事(大阪府/疋田直太郎社長)は、今後も成長が見込めるとしてプロ市場を積極的に開拓している。その中、ドミナントエリアの強化、また都市部での出店をねらい、力を入れるのが小型フォーマット「コーナンPRO ワーク&ツール」だ。最新店の高松勅使店に足を運び、その品揃え、店づくりの実態を確かめた。
出店強化エリアの香川県
コーナン商事が、初めてプロ向けフォーマットを出したのは2001年。「コーナンPRO 東淀川菅原店」(大阪府大阪市)で、プロの需要に応える品揃え、サービスにより、多くの利用客を獲得した。
以来、徐々に出店を進めると同時に、出店範囲も拡大。08年に東海、11年東北、12年関東といったように、新たなエリアにも積極的に進出する。19年7月下旬現在、同社のプロショップは72店を数える。
このうち近年、コーナン商事がとくに力を入れる戦略フォーマットは「コーナンPRO ワーク&ツール」(以下、ワーク&ツール)だ。現在、単独店3店、PRO店舗併設/複合店2店の合計5店舗ある。
単独店としては、18年5月にオープンした茅ヶ崎店(神奈川県茅ケ崎市)で初めて出店を果たした。
あらためてワーク&ツールについて説明すると、このフォーマットは都市部をねらったプロショップの小型店である。標準とする売場面積は1000㎡以下で、大店立地法の規制にとらわれず、スピーディに出店できるのが強み。すでにプロショップを展開するエリアでも、小さい物件でも出すことができ、ドミナントエリアの強化に威力を発揮する。
最新店は、19年6月4日にオープンの「コーナンPRO ワーク&ツール高松勅使店」(以下、高松勅使店)。従来、関西、関東圏で店数を広げてきたが、今回、ワーク&ツールとしては初めて四国、そして香川県への出店を果たした。
同フォーマットの開発から携わるPRO営業部PRO業態開発グループの八坂健一郎マネージャーは「香川県は重点エリアの1つに設定していた。徳島県にレギュラータイプのプロショップ『コーナンPRO』は2店あるが、香川県はまだなく、出店の機会をうかがっていた」と話す。
さてコーナン商事は現在、19年2月期を初年度とし3年間を期間とする第二次中期経営計画に取り組んでいる。それによれば期間中、50店の新規出店を行う方針。19年2月期は、従来と比べ約2倍の水準となる22店を出し、うちプロショップは11店だった。20年2月期も、プロショップを拡大出店していく方針である。
今後、20年の東京オリンピック・パラリンピック、25年の大阪万博などの国際的な大型イベントが控えるなかで、同社では、プロ市場はまだ拡大するとみている。
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高松勅使店のこだわり「電動工具コーナー」にせまる!