カインズ、好調のマフィン専門店を初のテイクアウト特化型&社外立地で開業のねらい

阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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カインズ(埼玉県/高家正行社長)の飲食事業を担うカインズフードサービス(埼玉県/須田昌広社長)は48、東京都府中市にマフィン専門店「CAFE BRICCO muffins(カフェブリッコ マフィンズ)府中店」(以下、マフィンズ)をオープンした。同社としては初のテイクアウト専門店で、カインズグループの店舗や商業施設以外に出店するのも今回が初めてとなる。

ミッテン府中・専門店街フォーリス」の1階部分にオープンした「CAFE BRICCO muffins(カフェブリッコ マフィンズ)府中店」

テイクアウト専門店に挑戦した背景とは

 カインズは自社店舗の価値向上や集客を目的に、オリジナルコーヒーや手づくりマフィンを提供するカフェ「CAFE BRICCO」(以下、カフェブリッコ)を中心とする外食フォーマットの展開に力を入れている。201311月、千葉県印西市に「CAFE BRICCOカインズ 千葉ニュータウン店」をオープンしたのを皮切りに、同社のホームセンターあるいは自社運営の商業施設内に出店、253月現在約65店舗を展開する。

 このカフェブリッコで看板商品となっているのがマフィンだ。154月に「カインズ鶴ヶ島店」(埼玉県鶴ヶ島市)で販売開始して以来、累計の販売個数は2800万個に上る。242月には、子会社ハンズ(東京都/桜井悟社長)が運営する「ハンズ梅田店」(大阪府大阪市)の10階に、マフィンに特化したカフェ業態の「CBマフィン ハンズ梅田店」をオープンしている。

 今回オープンしたマフィンズは、カフェブリッコとして初のテイクアウト専門店となる。京王線「府中」駅から徒歩1分の商業施設「ミッテン府中・専門店街フォーリス」の1階部分に出店。店舗面積は約10坪で、イートインスペースは併設されていない。

カインズフードサービスでマーケティング・新業態開発部部長を務める中元雅也氏

 また、カインズが運営するホームセンター、あるいは直営の商業施設以外の場所に「カフェブリッコ」を出店するのも初となる。カインズフードサービスでマーケティング・新業態開発部部長を務める中元雅也氏は、出店の経緯について「カフェ併設型の店舗では、どうしても出店場所が限られてしまうという課題があった。マフィンをより多くのお客さまに届けるには、これまで出店していなかった商業施設への進出が必要だと考え、テイクアウト専門店というかたちでの出店を決めた」と語る。

 テイクアウト専門店の出店に際しては、24年秋に「北千住マルイ」(東京都足立区)にポップアップ出店し、検証を行っている。中元氏は「(ポップアップの)期間は2週間と限られていたが、何度も足を運ぶリピーターのお客さまもいた」と話す。こうした手応えを受けて、今回は常設店舗の出店に踏み切ったかたちだ。

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記事執筆者

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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