店舗を活性化、めざすは「お客さまにとっての地域一番店」=東急ストア 須田 清 社長

聞き手:小木田 泰弘
構成:田中 浩介
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「Tokyu Store PLUS」で簡便性の高い商品を強化

──商品面では、12年5月からプライベートブランド(PB)の「東急エクセレント」と「東急セレクト」を「Tokyu Store PLUS(トウキュウストアプラス)」に統一しました。一方で、加盟している八社会(東京都/伊藤英男社長)のPB「Vマーク」商品も扱っています。

須田 基本的には八社会のVマーク商品が、当社にとってのメーンPBととらえています。しかし、Vマークは最大公約数のお客さま向けに企画された商品です。競争が厳しくなり、1店舗当たりの商圏が狭まっていく中で、お客さまの幅広いニーズに応えるためには、独自のPBを開発する必要があると考えています。

 そのため、自社のPBを「Tokyu Store PLUS」に一本化しました。ナショナルブランドの商品やVマーク商品では提供しきれていない、品質の高さや簡便性、使いやすいサイズ設定などの独自性をプラスしています。商品開発にあたっては、「お客さまにご満足いただける価値の具現化」をテーマに、お客さまの声を反映させています。

 「Tokyu Store PLUS」は現在、170アイテムあります。14年2月期中に、新たに500アイテムを開発する計画です。

──具体的にどのような商品を「Tokyu Store PLUS」として開発していくのですか。

須田 まずは下ごしらえや調理をする手間を省いた、簡便性の高い商品の開発を優先的に進めていく方針です。

 たとえば、すでに商品化したカット野菜は、お客さまから大変好評を得ています。これからレトルトパウチの総菜や、生鮮食品を加工した半調理品など、温めればすぐに食べられる商品を充実させていきます。お客さまからいただいたご意見をしっかり取りまとめ、当社の定番商品に育てていこうと考えています。

──八社会に加盟する食品スーパー(SM)企業の店舗において、「Tokyu Store PLUS」を販売することはないのですか。

須田 実は、売上好調の「Tokyu Store PLUS」商品を、八社会の「Vマークバリュープラス」にパッケージを変更し、販売するケースがいくつも出てきました。当社が単独で展開するよりも、八社会のPBとしたほうがスケールメリットを享受できるので、PBの移行には積極的に取り組む方針です。

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聞き手

1979年生まれ。2009年6月ダイヤモンド・フリードマン社(現ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」誌の編集・記者を経て、2016年1月から「ダイヤモンド・ドラッグストア」誌副編集長、2020年10から同誌編集長。

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