店長主導型の店舗運営をもう一度やり直し、MD改革を成し遂げる=サミット田尻 一 社長

聞き手:千田 直哉 (編集局 局長)
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──サミット流マーチャンダイジングの具体的なかたちとして、「仕入れる側と売る側が一体化できる売場づくりにチャレンジし、週単位で、店内に入った瞬間に何を訴求したいのかがわかる売場にしたい」と話していました。

田尻 これもまだまだですね。どうしてもかたちから先に入ってしまっているので、そこに、人的コミュニケーションをどうやって注入していくかが10年度の課題になります。

 『52週マーチャンダイジング』とは簡単に言えば、行事・催事の展開が主ですから、それをうまく取り込みながら、お客さまとコミュニケーションしていくようにします。

 すでに成果がでている一例が節分イベントで、今年の丸かぶり寿司(=恵方巻)は1日で約18万本売れました。売上は年々高まっていて、本部社員総出で巻いても間に合わないぐらいの売上規模になっており、すでに、土用の丑の日やバレンタインデーに次ぐほどの大きなイベントに成長しています。

 今後、これに次ぐ大型のイベントをどうやってつくり上げていけるかが課題だと思っています。そこでスタートしたのが、「マグロの解体実演販売」であり、「バナナ大房の叩き売り」だったりするわけです。こうしたイベントは、今お客さまにたいへん受けがよい状況です。

── 一方で、イベントが増えるということは、日によっても部門によっても売上に凹凸が生じますから、御社が強みとするLSP(レイバー・スケジューリング・プログラム)が機能不全に陥る懸念はないのでしょうか?

田尻 ええ、ですからそれを、1年間かけて組み替えました。たとえばイベントのときにどうLSPを組み替えるか、あるいは部門を超えて人員をどう配置していくかということです。3月ぐらいから全店で新しいLSPを導入して、5~6月ぐらいから軌道に乗ってくれるかなと思っています。

 部門によって忙しいときも暇なときもありますから、従業員の多能化を進めて、効率的に割り当てできるようにしていきます。現に今、パート社員の多能化に取り組んでいるのですが、1人が2部門以上できるようになることで効率はたいへん上がっています。

──最後に、10度の出店について教えてください。

田尻 今確定しているのは5店舗ぐらいで、10~11年度にかけてという案件が2店舗。翌11年度は8~10店舗の計画です。出店エリアはほとんどが、都内・神奈川県内になると思います。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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