5温度帯で管理するAmazonフレッシュ スーパー以上の品質をめざす理由と取り組み
世界的なECサイトを運営するアマゾン(Amazon.com)の日本法人であるアマゾンジャパン(東京都/ジャスパー・チャン社長)。同社は自社でネットスーパーを運営するほか、複数の食品スーパー(SM)とも協業し、展開エリアや品揃えの幅を拡大。鮮度や品質を高めるための施策や利用者を増やす販促にも積極的に取り組んでいる。
SM各社との提携に積極的に取り組む
アマゾンジャパンが自社でネットスーパー事業を開始したのは2017年4月のことだ。Amazonフレッシュ事業本部事業本部長の荒川みず恵氏は、「『地球上で最もお客さまを大切にする企業になること』をビジョンとする当社にとって、お客さまの日常生活に密着した食品を提供できるネットスーパーは重要なサービスだと位置づけている」と語る。
アマゾンジャパンが自社で展開する「Amazonフレッシュ」は、Amazonプライム会員(年会費4900円または月会費500円)向けの倉庫出荷型ネットスーパーで、同社が仕入れから配送までのすべてを担っている。また、この自社サービス以外にも、ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)、バローホールディングス(岐阜県/小池孝幸社長代行)、成城石井(神奈川県/原昭彦社長)といった有力食品スーパー(SM)との協業による店舗出荷型のネットスーパーも展開。商品の品揃えやピッキングを提携SM、配送をアマゾンジャパンが行う仕組みだ。
ネットスーパーサービスの提供エリアは、注文受け付けから最短約2時間で配達可能で、利用者数が一定数を見込める範囲が中心となっている。Amazonフレッシュでは、神奈川県川崎市と東京都江戸川区にある2カ所の専用物流拠点から配送可能な東京都、神奈川県、千葉県の一部が対応可能エリアだ。提携SMではライフは関東と関西、バローは名古屋エリア、成城石井は関東および名古屋の一部など、自社店舗から配達できる地域でサービスを提供している。
Amazonフレッシュと提携SMのネットスーパーは一見競合するように見えるが、展開エリアや取り扱い商品によって差別化が図られている。「日常生活で食品を買うときに、『この店でしか買わない』という人はほとんどいない。実店舗でもいくつかの店を使い分けるように、オンラインでも同じような状況をつくりたい」と荒川氏は話す。
現在の提携SMは前述の3社だが、今後も地域で支持されているSMと提携し、ネットスーパーの展開エリアを拡大していきたい考えだ。「現状確定事項があるわけではないが、東京、大阪、名古屋などの大都市以外でも、プライム会員の集中するエリアであれば検討したい。地域で支持が高い店と提携できれば、必ずしもAmazonフレッシュで展開しなくてもよい」(荒川氏)。
Amazonフレッシュ限定の商品開発も進む
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