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2015年、「ベビーブーム世代」が高齢期(65歳)に。さらに10年後の2025年、日本の高齢者人口はピークを迎える。その時、65歳以上の高齢者人口は、3500万人。国連基準の「高齢社会」は、65歳以上人口は14%。日本は2004年9月の時点で、すでに19.5%に到達していた……。
DFオンライン編集部では、消費へのアプローチを中心に、シニアマーケットの最前線をインタビュー特集としてお届けする。

第3回

2012年10月19日

売場と連動した接客でロイヤルカスタマーを獲得

大人用紙おむつ売場で求められているのは、シンプルな推奨トーク

ユニ・チャーム、営業企画部カテゴリーマネジメントGマネージャー渡部俊之氏

 

―ADL売場が実現することで、消費者が自分で正しい商品を選べる売場になるということですね。 

 

渡部 そうですね。しかし売場ができて完了ではありません。ADL売場とともに、大人用カテゴリーで求められているのは、お客様のお身体の状態に合った商品を推奨できる、シンプルな接客トークです。ユニ・チャームでは「12分、3ポイント」という考えのもと、数分で使用者の状況を把握し、正しい介護情報と適切な商品を案内できる、“ライトカウンセリング”を提案しています。これにより、一人で悩んでいた介護者にベストな商品を選択する手助けをすることで、お店のロイヤルカスタマー育成につながります。

 

 現在弊社では専門の部署を立ち上げ、小売業様の従業員様に向けた“ライトカウンセリング”の勉強会を実施しています。

 

―具体的にはどんなトークなのですか?

 

渡部 弊社で推奨しているのは、誰にでも簡単にできる接客トークです。まず最初に聞くのが、①「トイレに行けますか?」です。この一言で紙おむつを使用する方のADLを確認できます。トイレに行ける方には、パンツタイプアウター(外側のおむつ)、またトイレでの排泄が困難で、自分で起き上がれない方はテープタイプのアウター(外側のおむつ)をお勧めします。

 

 そして次に、②「パッドをご存知ですか?」とお聞きすることで、インナー(尿とりパッド)との組み合わせ使用を推奨できます。お身体の状態にあった正しいインナーとアウターを組み合わせて使用すれば、何度もアウターを交換する必要もありません。介護者の負担も軽減できますし、もちろん介護される方にとっても快適であることをお伝えます。

 

 最後に、③「夜も大変ですね」とお声がけします。介護者が夜中に起きておむつ交換をすることは大変な負担です。それを軽減できる夜用のパッドがあることを伝えることができます。

 

 このカテゴリーのライトカウンセリングで大切なのは、ねぎらいの言葉。「それは大変ですね。」の一言が、介護で心身ともにお疲れのお客様にとって、大きな救いになることもあります。

 

―接客が店舗にとって差別性につながる可能性がありますね。

 

渡部 おっしゃるとおりです。お客様のニーズに合致した、商品を選択しやすい売場をつくるとともに、店頭での接客よって推奨まで実施することができれば、お客様の大人用紙おむつに対する抵抗感や買いづらさを軽減させることができ、同時にストアロイヤルティの向上にもつながります。

 

 また売場のご担当者の方も、勉強会を通じて介護や商品についての知識が身につき、自信を持って接客できるようになったというお声をいただいています。

 

―今後、シニア市場に対してどのようにアプローチしていこうとお考えですか。

 

渡部 団塊世代の高齢化に伴い、現在22.8%の65歳以上の高齢者人口構成比は2015年には全国で26.9%まで進みます。しかしエリア別で見ると実は構造に違いが見られます。

 

 市区町村に落として見て行くと、65歳以上の高齢者比率が30%以上を超える市区町村は、全国1,968ある内の53%まで拡大するということが予測されています。

 

 しかし北海道を例に取ると、65歳以上の高齢者人口構成比は28.9%(全国比+2.0%)まで拡大しますが、最も高齢者比率の高い夕張市は2015年に47.0%まで拡大する一方で、千歳市では、21.3%にとどまります。同じ道内でも市区町村毎に人口構図が大きく異なるといったエリア別の構造の特徴をとらえることが、今後重要になってくると考えています。2015年にかけ、大きく人口動態が変化することが予想されていますが、その変化から生まれるチャンスを最大化させ、消費者の目線に立った売場づくりを小売業様、卸店様と共にすすめていきたいと考えています。

 

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