セブン&アイのオムニチャネル「omni7」本格始動

千田 直哉 (編集局 局長)
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 あさって11月1日(日)。セブン&アイ・ホールディングス(東京都/村田紀敏社長)のオムニチャネル「omni7」(オムニセブン)が本格始動する。

 リアル店舗とネットを融合させた「世界唯一」(同社)の取り組みで、消費者は、いつでも、どこでも、欲しいときにあらゆる商品・サービスを利用することができる。

 セブン&アイグループのそごう、西武、イトーヨーカ堂、赤ちゃん本舗、ロフトなどで取り扱うあらゆる商品を自宅のみならず最寄りのセブン‐イレブンで注文、受取、返品、返金が可能になることが大きな特徴の一つだ。

 2018年度には約600万アイテム、売上高1兆円をめざす。

 実は10月1日(木)に「omni7」はプレオープンしている。過去1か月間の傾向を振り返ると、店頭購入者の約3割以上が、リアル店舗に来店する前に「omni7」のウェブサイトで商品を確認して店舗に来店。「omni7」の宣伝効果が、ウェブルーミング(※)という新しい買い物行動を促進。来店時に購入するのは、ネットで見つけた商品だけでなく、ついで買いの促進にもつながっているという。

 さて、「omni7」に掲載されている商品のうち、私がとくに注目したのは、イトーヨーカドーサイトが販売する「サントリー ザ・プレミアム・モルツ 350ml  5ケース120本」だ。

「サントリー ザ・プレミアム・モルツ 350ml」を5ケース購入すると、歌手の矢沢永吉さんのロゴをあしらった最新型「超クリーミー泡サーバー(缶専用)がついてくるという企画で価格は2万3130円(税込2万4980円)。1本あたりの単価は約193円と安い上に、ファンにとっては垂涎もののおまけといっていいだろう。

 リアル店舗であれば、5ケースという数量がネックになって、まず購入しようとは考えないだろう。

 しかしながら、希少価値の高いおまけの魅力に負け、ついクリックしてしまう人はファンのみならず、少なくないはずだ。

 こうしたネットの特性を生かした商品は、今後、続々と出てくるはずであり、そんなところからも「omni7」の動向を追いかけていきたい。

 ※ショールーミングとは逆の購買行動で店舗に行く前にスマートフォンなどで商品情報を確認した後に店舗で購入すること 

記事執筆者

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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