事業環境激変を乗り切る!小売業、3つのDX新潮流とは?
生成AIの活用が加速
次に、生成AIの活用の広がりについて述べていく。23年は、ChatGPTをはじめとする生成AIの進化と普及が急速に進んだ。生成AIをけん引するOpen AIは、23年3月に初のマルチモーダルモデルとなるGPT-4を発表。マルチモーダルモデルとは、複数の異なるデータ形式(テキスト、数値、画像、音声、動画など)を組み合わせて処理できるAIモデルで、GPT-4はテキストデータと画像データに対応している。
このように進化し続ける生成AIの活用は、流通小売業界でも徐々に浸透している。活用が進んでいる領域としては、リテールメディア、無人店舗、社内業務の効率化、マーケティング・販促業務への適用などである。
たとえばアマゾンでは、24年1月にニューヨークで開催されたNRF(全米小売業協会)の見本市にて、AIを使い入店した客と手に取った商品を正確に特定し、スムーズなレジレス決済と商品盗難防止を実現するサービスを発表している。また、同社は日本に今後5年間で2兆3000億円の投資を行うことを発表し話題となったが、その主軸は生成AIの普及に伴うデータ処理量の爆発的な増加を見越したAWS(Amazon Web Services)へのインフラ投資だ。
国内ではファミリーマートが社員3,000人分の生成AIアカウントを用意し、業務効率化を行うことを発表。同社では、タブレット端末型の人型AIアシスタント「レイチェル/アキラ」も約5000店に導入しており、店舗業務の効率化に取り組んでいる。
生成AIは、まずは業務効率化といった部分から浸透しているが、そのポテンシャルは広告効果の拡大やクリエイティブへの応用などにも活用されている。今後、生成AIの進化に伴い、その活用手法が企業の競争に大きな影響を及ぼすようになるだろう。
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