パンデミックによりデジタル導入が加速、消費者の購買行動は長期的に大きく変化=アクセンチュア

2020/05/21 12:25
ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局

アクセンチュアは、新型コロナウイルス感染拡大の結果を受けて、世界の消費者の購買優先度、購買決定、行動パターンの変化に関する調査を実施し、その結果を発表した。

デジタルトランスフォーメーション
パンデミックをきっかけに食料雑貨を初めてオンラインで購入した消費者は全体の5人に1人を占めたほか、56歳以上に限れば、3人に1人に達した。

 それによると新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックはデジタル導入の流れを加速させるととともに消費者の購買行動を恒久的に変化させ、特に消費財および小売業界に長期的な構造変化をもたらす可能性があることが判明した。

 2020年4月2日から同6日にかけて世界15カ国の約3,000人の消費者を対象に実施した調査では、消費者の購買優先度がすでに変化し始めていることが明らかになった。例えば、消費者は全般的な傾向として、調査実施の2週間前と比較して個人向け衛生用品や洗浄用品、缶詰、生鮮食品の購入を増やした一方で、ファッションアイテムや美容品、家電などの購入を控えたと回答した。

 さらに、こうした消費者の購買行動の変化の多くが今後も持続する可能性が高いことが調査によって明らかになった。加えて今回の危機により消費者は自ら選んで購入した商品がもたらす健康や環境への影響をより真剣に考えるようになっていることが明らかになった。

例えば、

• 回答者の60%が「身心の健康管理により多くの時間を使うようになった」と答えたほか、57%は「自宅で運動する機会が増えた」と回答。
 
• 回答者の64%が「食品廃棄物の削減への関心が高まり、今後も関心を持ち続けるであろう」と回答。
 
• 回答者の50%が「健康をより意識した購入を心がけるようになり、今後もそうするだろう」と回答。
 
• 回答者の45%が「持続可能な選択(サステナブル・チョイス)を重視した購入を心がけるようになり、今後もそうするだろう」と回答。

オンライン購入調査結果 調査ではパンデミックの結果、より多くの消費者が食料雑貨をオンラインで購入するようになったことが明らかになった。今回の事態をきっかけに食料雑貨を初めてオンラインで購入した消費者は全体の5人に1人を占めたほか、56歳以上に限れば、3人に1人に達した。また、「すべての製品・サービスをオンラインで購入している」と答えた消費者は32%を占め、この数字は今後37%に上昇すると予想されている。

 また、新型コロナウイルスはデジタル活用をより広範に加速させている。例えば、「テクノロジー製品の購入に関心がある」または「それらの利用機会を増やすことに関心がある」と回答した消費者の数は飛躍的に増加しており、回答者の半数以上がスマートスピーカーやオンラインレコメンデーションアプリ(オンラインで欲しい情報などが入手できる機能)、セルフサービスアプリ、スマート家電、ウェアラブル端末について「利用が増えると思う」と回答している。

 

 アクセンチュアの消費財部門を統括するマネジング・ディレクターのオリバー・ライト氏は、「今回の調査結果は消費者の購買行動が長期的に変化していくことを明確に示唆しています。こうした傾向はこれまでも見られたことですが、通常は何年もかけて生じるはずの変化がこれだけの規模とスピードでわずか数週間の間に一気に起きたのは驚くべきことだと言えるでしょう。消費者の新たな購買行動と消費活動は今後も継続することが見込まれ、その期間は1年半以上、そして2020年代の大半にわたって続くと推測されます。企業は現在だけでなく、パンデミック後の世界を見据え、購買パターンの変化を捉えながら各種の製品やサービスを提供していくことが求められており、そのためには消費者と顧客に寄り添う俊敏性と能力が欠かせません。」と述べている。

各テクノロジー製品、サービス購入や活用に関心のある消費者割合

 また、アクセンチュアのグローバル小売部門を統括するシニア・マネジング・ディレクターのジル・スタンディッシュ氏は、「購買優先度や個人のライフスタイル、働き方が見直される中、小売やその販売チャネルには大きな変革が求められています。最近まで食品雑貨は消費者がオンラインでの購入を控えてきた分野のひとつでしたが、新型コロナウイルスはそうした傾向をあっという間に変えてしまいました。今回の調査結果は、これまでEC(電子商取引)やデジタル技術を敬遠していた消費者層のためらいが取り除かれたことを示しています。このシフトは非常に大きなものです。企業がこうした消費者の大転換を捉えるためには信頼性、妥当性、利便性という3つのキーワードが欠かせません。」と延べ、パンデミックによって加速するデジタルシフトへの対応が企業に求められるとした。

調査概要
アクセンチュアは、新型コロナウイルス感染拡大の結果、世界の消費者の購買優先度、購買決定、行動パターンにどのような変化が生じているかを調べるため、2020年4月2日から4月6日にかけて世界15カ国(日本、オーストラリア、ブラジル、中国、カナダ、フランス、ドイツ、インド、イタリア、メキシコ、韓国、スペイン、アラブ首長国連邦、英国、米国)の3,074人の消費者を対象にした委託調査を実施した。

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