ロピア首都圏戦略のカギとなる? 「スーパーバリュー杉並高井戸店」売場レポート

矢野清嗣
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独自性あふれる加工食品売場

 加工食品は売場中央のゴンドラゾーンで、前方に「米」「嗜好飲料」など、後方に「調味料」「乾物」「即席麺」などを配置する。加工食品は全体的に品揃えを絞っており、カテゴリーごとにメリハリを付けているようだ。

 たとえば、後方にある「スパイス」は3尺5本で上段に「エスビー食品」「ハウス食品」のシーズニングスパイスや唐辛子など、下段に「和風スパイス」「ラー油」「胡椒」などを陳列する。その対面には「肉調味料」を配置しており、「ポン酢」「すき焼」「ソース」「たれ」「肉スパイス」など3尺12本でコーナーを展開する。同コーナーの軸となっているのが、ロピアの系列会社である丸越醸造の商品で、木製の什器で「にんにくポン酢500ml」(299円)を「販売個数25万個突破」のPOPを添えてアピールしていた。そのほか3尺3本のスペースで、「肉スパイス」「アウトドアスパイス」のこだわり商品を展開。「ろく助塩」「中村食肉・マキシム」など価格は張るものの魅力的な商品を多数ラインナップする、迫力ある売場となっていた。

ロピアでも取り扱う丸越醸造の商品を豊富に揃えている

 「バランス型」の商品構成ではなく、「売りたいものを売る」という姿勢が明確に打ち出されており、既存のチェーンと一線を画す独自性の強い売場となっている。

 酒類・飲料はスペースの関係からか、売れ筋に絞ったコンパクトな売場となっている。酒類は「ビール系飲料」「缶チューハイ」を軸としつつ、「日本酒」「焼酎」「リキュール」「ウイスキー」「ワイン」は無難にまとめている印象を受けた。飲料も同様で、売れ筋の「伊藤園・お~いお茶2L」(139円)、「サントリー・伊右衛門2L」(169円)のほか、SVセレクトの「天然水2L×6」(299円)などを価格訴求している。

 菓子は前方3尺16本3レーンで売場を展開。力を入れているのが「グミ」で15尺のスペースで国産と輸入品を幅広く扱う。菓子大袋は18尺51品目の扱いで、199円の商品を充実させている。ロピアではおなじみのユーラスのトルコ産「フュージョンクッキー」(3品目各99円)の扱いもあった。

ロピアの首都圏戦略のカギ?

 スーパーバリューはこれまで「食品スーパー+ホームセンター」の複合店舗を主力に、食品の価格訴求でシェアを積み上げてきた経緯がある。かつてのスーパーバリューの店舗には “粗さ”のようなものがあったが、ロピアとのコラボによりそれが消えたように感じた。

 高井戸店で働くスタッフの多くは、これほどの混雑と作業量を経験してこなかったことであろう。それほど“ロピア流売場”の集客力は凄まじく、スタッフもそれに精一杯ついていこうとしているように思う。小売業には「仕事に追われる楽しさ」というものも存在すると筆者は考えている。忙しい毎日は店舗で働くスタッフにとっても喜びであるのかもしれない。

 ロピアは2022年度、関西、中部、首都圏に12店を出店している。今期も台湾や福岡などの出店がすでに明らかになっているが、首都圏においてはスーパーバリューの“ロピア化”に集中し、首都圏の基盤強化を図っていくものと見られる。

 スーパーバリューの2023年2月期の売上高は677億円。ロピア、そしてOICグループとしては早期にこれを1000億円規模に引き上げたいところだろう。出店余地、建築資材などのコスト面などを考えても、首都圏で新たな大型店舗を開発するのは難しい。ロピアにとって、スーパーバリューの“ロピア化”は首都圏のシェアアップを図っていくうえで現実的、効果的な施策と言える。スーパーバリューでは今後、高井戸店のような改装が今後も続いていく可能性が高そうだ。


(店舗概要)
所在地 東京都杉並区下高井戸5-12-12
改装開店日 2023年4月22日
売場面積 約400坪(歩測、2階食品売場)
営業時間 10:00~20:00
駐車台数 300台
アクセス 京王線「下高井戸」駅から徒歩約14分

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