ロピア海外1号店「LaLaport台中店」レポート、 日本の食文化の発信で海外市場開拓へ

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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加工肉を店舗で
燻製し販売

 強みの精肉については、売場に足を踏み入れると、燻製香が漂ってくる。
 
 売場から見える加工場にはドイツ・フェスマン社の機械が設置されており、どうやら加工肉を店頭で燻製し販売しているようだ。売場導入部ではウインナー、焼き豚、ベーコンなどが並び、「日本湘南工場直伝」というシールを貼ってアピールしている。
店頭で燻製し販売する加工肉の一例
店頭で燻製し販売する加工肉の一例。「つるしバラ焼肉」(226g・約510円)
 売場中央では台湾産の肉も扱うが、日本の和牛を訴求。「山口県産みなもと牛肩ロースステーキ4等級」(1枚188g・2368円)、「鹿児島県産黒毛和牛 焼肉用スライス」(1パック116g・2006円)などを販売していた。
 「宮崎県産黒毛和牛 すきやき・しゃぶしゃぶ用」(同266g・約4225円)など、ロピアが得意とする大容量パックも豊富に扱い、見た目にもインパクトの大きい売場づくりを行っていた。訪問時は、大容量パックを購入していく来店客の姿が多く見られた。
 
 精肉は精算時、品質のよい状態で持ち帰ってもらうべく、従業員が氷を袋に詰めて提供する。日本では店頭での氷やドライアイスの提供は当たり前だが、台湾にはそのようなサービスは基本的にないことから、手厚いサービスとして好評を得ているという。

現地メーカーとの
共同開発商品も

 洋日配と冷凍食品は台湾産商品を中心に日本製のこだわり商品を混ぜて、グロサリーや菓子、和日配はそのほとんどが日本製の商品だ。
 
 焼肉のたれ「肉たらし」(1本790円)をはじめロピアのオリジナル商品を売場の各所に差し込んでいるほか、グループ会社の機能を生かし、丸越醸造(埼玉県)が製造する調味料や、調達会社ユーラス(神奈川県)によるワインなども扱っていた。とくに焼肉のタレや、調味料類は主通路沿いで大量陳列して訴求していた。
 
 台湾で開発した商品も見られた。酒類売場では、現地で人気の高いクラフトビールブランド「SUNMAI」と共同開発した商品を数量限定で販売している(350㎖・約700円)。
「SUNMAI」と共同開発した商品
現地で人気の高いクラフトビールブランド「SUNMAI」と共同開発した商品
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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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