チリワイン市場、単価は上昇傾向プレミアム化が進む

ライター:山田 陽美
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 安くておいしいデイリーワインとして定着しているチリワインだが、量より質を求める層が増え、消費の二極化が進んでいる。値上げによる影響だけでなく、チリワインの単価は上昇傾向だ。1000円以上のチリワインフルボトルの販売金額シェア(図2)をみると、23年2月~24年1月のシェアが15.4%で、前年から2.1pt上昇した。この中価格帯をリードしているのが「カッシェロ・デル・ディアブロ」。高品質な味わいは世界中でトップレベルの評価を獲得している。新規ユーザーを継続して獲得している。

(図2)チリスティルワインフルボトル(1000円以上)販売金額シェア

 ぶどうの収穫・醸造方法にこだわった「フロンテラ プレミアム」も好調だ。昨年3月に発売したレッド・ブレンドが好調なのに加え、店頭でのコミュニケーション施策が購買を促進した。この春には高品質なピノ・ノワールをラインアップ。店頭での視認性を高めるため、情報豊富な首かけPOPで訴求する。

甘口で飲みやすい本格ワインで、若年層ユーザーを誘引

 ワイン市場を拡大するためには、間口拡大が重要となる。メルシャンではこれまでもエントリーユーザーを獲得する商品を投入してきた。そのひとつが「フロンテラ スパークリング缶」。缶という手軽で気楽に楽しめる容器である一方、本格的な味わいが支持されている。

 この春は、ワインを飲みなれていない若年層をターゲットに「デビルズ・カルナバル」を新発売。ワインの渋みや酸を抑えて甘みを感じる本格ワインで、高い視認性で記憶に残るパッケージに仕上げた。若年層を含む新たなユーザーを本格ワインカテゴリーに誘引するチャレンジで、ワインでは珍しくタレントを起用した販促を展開する。SNS広告やイベントなどで若年層にアピールし、間口拡大を図っていく。

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