健康・機能性食品市場の動向は?顕著な動きのあった4つのカテゴリーを取り上げてレポート

ライター:室作幸江
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プロテイン訴求商品

新商品登場で大幅伸長を継続、さらなる成長が見込めるカテゴリー

プロテイン訴求商品金額推移(全国) 2020年8月~2021年7月とプロテイン訴求商品主要ブランド金額前年比(全国) 2020年8月~2021年7月
【対象商品】商品名に“プロテイン”などを含む商品、およびザバス商品、TANPACT商品

市場の活性化に寄与する「inPROTEIN」シリーズ

 健康・機能性市場において、今最も勢いのあるカテゴリーといえばプロテイン訴求商品だ。タンパク質は健康な体づくりに欠かせない栄養素としての認知が進み、幅広い世代で利用されるようになり裾野が広がっている。その結果、市場は2020年8月以降、前年比プラスで好調をキープ。増加率は下がっているものの、21年7月でも125%の大幅伸長を達成している。

 本カテゴリーの代名詞的存在ともいえる明治の「ザバスMILK PROTEIN」シリーズは、これまで金額構成比50%弱を占めていたが、その他商品の伸長から21年7月は43.3%にまで縮小。しかし、継続して前年を上回る成長を遂げており、ブランドの強さは変わらない。

 「ザバスMILK PROTEIN」シリーズに次いで30%弱の金額構成比を占めているのがその他商品だ。20年10月以降、高い伸長率を継続しており、とくに21年4月は急伸。その理由として、森永乳業が森永製菓とコラボレーションして、「inブランド」からプロテインドリンクを発売したことが挙げられる。4 月6日に「inPROTEINココア風味」「inPROTEIN カフェオレ風味」を、同月13日には「inPROTEIN ストロベリーヨーグルト風味」と「inPROTEIN のむヨーグルト」を次々と投入。フレーバーはもとより、容器やプロテイン配合量が異なる4つの商品をラインアップしているため、気分やシーンに合わせて選べるのが魅力となっている。ほかにも新商品が続々と登場しており、プロテイン訴求商品のカテゴリーやメーカーの広がりがみられる。

「ザバス」一強だがトップ20の顔ぶれに変化も

 21年7月の売上ランキングをみると、これまでと変わらず明治の「ザバスMILKPROTEIN」シリーズが大半を占めているものの、そのほかの顔ぶれには変化がみられる。まず、21年3月に新発売した明治の「TANPACT ブルーベリー」と「TANPACT 甘さひかえめ」のヨーグルトが16位、17位にランクイン。また、同年4 月に発売された森永乳業の「inPROTEIN カフェオレ風味」が15位、「inPROTEIN ココア風味」も19位に登場している。いつでもおいしく、手軽にたんぱく質を摂取したいという生活者のニーズに応えて、メーカー各社が商品開発に注力しているのがランキング結果からもうかがえる。

 年代別購入構成比をみると、全商品合計と比較して50代以下の構成比が非常に高い。若年層の来店客に向けて提案チャンスが大きい商品といえそうだ。

プロテイン訴求商品売上ランキング トップ20 2021年7月/全国

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