健康・機能性食品市場の動向は?顕著な動きのあった4つのカテゴリーを取り上げてレポート

ライター:室作幸江
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健康系チョコレート

巣ごもり需要で大袋タイプが好調、喫食の習慣化も後押し

健康系チョコレート金額推移(全国) 2020年8月~2021年7月と健康系チョコレート主要ブランド別金額前年比(全国) 2020年8月~2021年7月
【対象商品】商品名に次のいずれかのキーワードが入るチョコレート。“カカオの割合”、“乳酸菌”、“LIBERA”、“ビフィズス菌”、“糖質カット”、“GABA”など

明治の「オリゴスマート」が大幅伸長を継続

 外出自粛によって在宅時間が増えたことで、生活にメリハリをつけたり、ストレスを解消したりするために、おやつを喫食する生活者が増えている。その結果、自粛太りに悩む人も少なくない。そこで、健康に配慮したおやつとして選ばれているのが健康系チョコレートだ。

 健康系チョコレートの金額推移をみると、前年に消費税増税前の買いだめがあった2020年9月を除いて、8月から21年2月まで前年比プラスで推移している。3月以降は月によって前年比のブレが大きく、安定伸長とは言い難いものの、健康系チョコレート以外のチョコレートに比べると継続的に上回っている。もはや健康系チョコレートはひとつのカテゴリーとして定着したことがうかがえる。

 分類別でみると、「高カカオ」が約70%を占め、市場動向のカギを握っている。次いで「その他健康系」で、10%前後を占める。「睡眠の質を高める」や「指先の冷えを軽減」など、チョコレートカテゴリーにおける健康キーワードの幅が広がっていることがわかる。

 ブランド別でみると、明治の「チョコレート効果」が全体の50%を占め、圧倒的に強い。前年比マイナスの月もあるが、2 1 年2月~7月計で前年同期比100.2%と前年並みで安定している。一方、明治の「オリゴスマート」は20年8月以降、前期比大幅増を継続。糖から健康を考えたおいしいミルクチョコレートという価値がコロナ禍をきっかけに浸透してきたようだ。

明治の大袋タイプが好調売上拡大に貢献

 喫食の習慣化に加え、コロナ禍での買い置きも進んで、健康系チョコレートの大袋タイプが好調だ。金額構成比は20%強を占め、微増傾向にある。なかでも21年2月に発売された明治の「オリゴスマートミルクチョコレート 大袋」は、21年7月の売上ランキングで13位にランクイン。ブランド全体の37%を占め、「オリゴスマート」の成長のドライバーになっている。

 1位から4位までは明治の「チョコレート効果」シリーズが独占しているが、5位にでん六の「ロカボナッツチョコ」がランクインしたのは興味深い。ピーナッツ、アーモンド、くるみの3種のナッツをノンシュガーチョコレートでコーティングしたものだが、「ロカボ」というネーミングと、健康感のあるナッツとチョコレートの組み合わせが支持を広げているようだ。

健康系チョコレート売上ランキングトップ20 2021年7月/全国

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