コロナ禍でも好調なチョコレート市場、小売業は今こそ生活者に寄り添った売場改革を

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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市場をけん引する健康志向チョコと大袋タイプ

図表③A 大袋チョコレート 業態別市場規模推移と図表③B 健康志向チョコレート 業態別市場規模推移

図表④新型コロナによる間食における健康意識の変化 単位:% 好調なチョコレート市場をけん引するのは、健康志向チョコレートと大袋チョコレートだ。図表③で示すとおり、両カテゴリーは伸長傾向が続いており、とりわけSMにおける健康志向チョコレートの好調ぶりには目を見張るものがある。背景にあるのは、年々高まる健康意識だ。とくに昨年はコロナ禍でその傾向が強まっている( 図表④)

 たとえば、家で食事をとったり、自分で調理したりすることが多くなったことで、栄養バランスを意識するようになった人は少なくない。また、巣ごもり生活による運動不足から“コロナ太り”や睡眠の質の低下など体型や体調に悩みを抱える人も多い。それゆえ、間食するならチョコレートの中でも健康を配慮したものを選びたいと考えるようになり、健康志向チョコレートを喫食する人が増えている。

 かつては健康志向チョコレートといえば、高カカオチョコレートが代名詞的存在だったが、現在は高カカオだけでなく、乳酸菌やG A B A、糖質コントロールなどさまざまな機能性をうたう商品がメーカー各社から登場している。こうした機能性(ブランド)の広がりによって、シニア層だけでなく若年層も取り込み、市場は拡大傾向にある(図表⑤)

図表⑤健康志向チョコレート ブランド別販売金額推移

 一方、大袋チョコレートについては節約志向を背景に、値頃感のあるところが支持されているようだ。加えて昨年は、外出自粛によって来店頻度が減り、店内の滞在時間も短縮化を余儀なくされたことで、計画的にまとめ買いをする人が増加。衝動買いが減り、新商品が苦戦するなか、ロングセラーブランドによる大袋は購入して失敗することがなく、お得で安心なことから購入が進んだ。さらに、大袋は個包装されているため、衛生面でも安心できる。コロナ禍で衛生意識もこれまでになく高まっていることから、いっそう支持されたといえる。

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