ラブコメからチョコレートの祭典へ進化!バレンタイン商戦が2023年も盛り上がる理由

宮川耕平(日本食糧新聞社)
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バレンタイン自体にもさらなるポテンシャルが?

和菓子×バレンタインを提案する西武池袋本店。バレンタインはどこまで広がる?
和菓子×バレンタインを提案する西武池袋本店。バレンタインはどこまで広がる?

 バレンタインがなぜ盛り上がるのか? いつの段階でそうなったかは知りませんが、チョコレートという全人類型の嗜好品と結びついたことは大きいと思われます。

 とはいえ、バレンタインという催事そのもののポテンシャルも侮れません。催事とは普通、一度確立したら変化しにくいものですが、バレンタインデーは内容が変遷しているところが特殊です。

 このイベントは1970年代には一般化していたらしいですが、20世紀のラブコメ漫画でお馴染みのバレンタインは、もはや古典です。00年代後半には女子から女子へ、「友チョコ」ないし「シェアチョコ」といった言葉も聞かれましたが、それも浸透しきったのでしょうか、一昔前の感があります。

 今ではすっかり「チョコの祭典」期間になっていて、普段とは違うチョコレートを楽しむ催事になりました。古典的ラブコメのイメージから脱却を図るのか、そごう・西武のバレンタイン催事は、その名称を「チョコレートパラダイス」としています。

 昨年、百貨店のバレンタインギフトのヒット商品の1つがポケモンのキャラクターチョコレートだそうです。であれば想像に難くないことに、男性の購入客も増えているとか。チョコの祭典はコレクター心もくすぐりながら、客層を拡大し続けています。

 バレンタインギフトのラインアップに、洋菓子が食い込んでくる現象は今までもありました。今年の西武池袋本店では、和菓子も催事場にコーナー化します。中にはチョコレートを使っていないせんべいまで・・・・。ただ、そもそもバレンタインギフトがチョコに限定されているのは日本だけです。女性から男性へという縛りも日本独自です。これはこれでホワイトデーという独自の商機を生んでいますが。

 欧米のバレンタインは恋人たちが相互にギフトを贈り合うものだそうで、つまりはジェンダーレスのイベントです。国際基準に照らし合わせて解釈し直せば、日本のバレンタインにはさらに変貌する余地が残されています。

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