米2月個人消費は寒波で1%減、下げ一時的 物価の高騰見られず

ロイター
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ニューヨーク市内にある中華街のようす。
米商務省が26日に発表した2月の個人消費支出(季節調整済み)は前月比1%減少し、昨年4月以来の大幅なマイナスとなった。ニューヨーク市内にある中華街のようす。25日撮影(2021年 ロイター/Carlo Allegri )

[ワシントン 26日 ロイター] – 米商務省が26日に発表した2月の個人消費支出(季節調整済み)は前月比1%減少し、昨年4月以来の大幅なマイナスとなった。寒波による経済活動の停滞などが響いたもようだが、その後の天候の回復や今月成立した新型コロナウイルス追加経済対策法、ワクチンの普及が後押しとなり、消費の落ち込みは一時的にとどまりそうだ。

市場予想は0.7%減だった。前月は3.4%伸びていた。

オックスフォード・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は「2月の減少が一時的なものにすぎないことは確かだ」とした上で「ワクチン接種率の上昇や過去最大の刺激策による組み合わせが3月の個人消費を強力に押し上げる」と予想した。

内訳では、医薬品や娯楽用品中心に幅広い分野で減少が見られる一方、サービスは0.1%微増。公益や医療関連の支出が増えた。

インフレ調整後の個人消費は1.2%減。前月は3%の伸びだった。

個人所得は7.1%と大幅に減少。前月は10.1%伸びていた。市場予想は7.3%の落ち込みだった。

こうした中、個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数の伸びが前月比0.1%と、前月の0.2%から鈍化。米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安としている前年比の伸びも前月の1.5%から1.4%に鈍り、目標となる2%を大幅に下回った。

PNCフィナンシャルのチーフエコノミスト、ガス・ファウチャー氏は「インフレ率が多少伸びても、今後数年間ではかなり抑制される見通し」とした上で、「経済にはなお多くのスラック(緩み)が残っている」と指摘した。

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