米国D2C に学ぶ、「顧客中心」のデジマ戦略の進め方
コロナ禍という激変の時期を経て、“コロナ後”の小売市場は「環境変化にスピーディに対応する能力を身に付けた」企業同士の戦いになるだろう。さらなる成長を図るためには、デジタルマーケティング戦略を通じて、「顧客とつながる」ことがカギになる。米小売市場におけるデジタルマーケティングの戦略やトレンドを紐解きながら、アフターコロナの世界でも成長を続けるためのマーケティングの施策の方向性を考察していく。
購買体験進化のための投資が加速
今日の米小売市場では、顧客が望むことを理解したうえでの購買体験への投資が進んでいる。パンデミックで店舗滞在時間を減らしたいというニーズが高まったなか、BOPIS/BORIS(ネットで注文した商品の店頭受け取り/返品)やカーブサイドピックアップといった機能・サービスが顧客に受け入れられ、浸透していった。同様にキャッシュレス化、レジレス化といった混雑や接触機会の減少につながる取り組みも支持された。それと同時に、わざわざ店舗に行かなくともオンラインで買物が完結できるECの利用が増えたことは言うまでもない。
他方、丁寧な接客や専門知識が必要な業態や店舗では、来店予約や接客予約、ウェブ接客など、顧客と従業員のコミュニケーション形式を“デジタルハイブリッド”にする動きも進んだ。
このように、小売における購買体験はオムニチャネル化とそこに介在する人の価値・役割が常に見直されながら進化を続けているのだ。ただし、買物体験とは購買体験だけを指すものではない。新たな商品やブランドとどのように出会い購入を決断するのかという「選択体験」や、購買後にその商品やブランドを通じてどのような体験をするかという「使用体験」にも小売企業は寄り添う必要がある。
D2Cブランドがリアルに販路を拡大
これからの時代、「顧客が来るのを待つ」という発想で店舗は運営できない。デジタルを介した購買体験、選択体験、使用体験を進化させることで、選ばれる店舗・ブランド・商品をつくっていく必要があるのだ。
これは昨今増加し続ける
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