「出店で成長しない」時代の米国小売、クローガーの「店舗なき出店」戦略とは

後藤文俊
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アメリカ小売大

米国最大の食品スーパー(SM)チェーンであるクローガー(Kroger)。近年はECおよびそれを支える物流インフラへの投資を進めており、その延長線上で新たなビジネスの開発にもチャレンジしている。今後どのような進化を見せるのか、これまでの取り組みを振り返りながら考察したい。

店舗数は5年連続減少も売上は増加基調

 米国では昨今、チェーンストア理論の原理・原則である「店舗数を増やすことで成長する」という考え方はほぼ通用しなくなっている。実際、小売最大手のウォルマート(Walmart)は、米国事業(Walmart US)の店舗数が3年連続して減少している。

クローガーの店舗
店舗数は5年連続で減少しているが、ネットスーパーの需要増が寄与し売上高は伸び続けている

 本稿で取り上げるクローガーも同様だ。実は同社はウォルマートよりも長く、ここ5年もの間、毎年店舗数を減らしているのだ。直近の2021年度末の店舗数は2726店舗。16年度の2796店舗をピークに、17年度は2782、18年度は2764、19年度は2757店、20年度は2742店と、毎年2ケタの規模で店舗数を減らしている。

 その一方、ガソリン売上を除く売上高は16年度の969億ドルから、21年度は1232億ドルと増加を続けている。既存店売上高は前年度のコロナ特需の反動で0.2%増にとどまったものの、ここ数年のスパンで見ると増加基調にある。つまり、店舗数が減少しても売上高が増えるという、本来のチェーンストア理論では説明できない事象が、クローガーという米国最大のSM企業で起きているのだ。

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 なぜこのようなことが起きるのか。

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