百貨店高騰!アフターコロナにらむ株式市場 小売株の潮目は変わったか?

椎名則夫(アナリスト)
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上昇目立つ百貨店株

都内の高島屋店舗
高島屋は年末から2月末までで株価が22%上昇した(2020年 ロイター/Issei Kato)

  では個別に見ていきましょう。上昇率の高い銘柄は次の通りです。

  • ZOZO+31% 
  • 三越伊勢丹ホールディングス+27%
  • J .フロント リテイリング+25%
  • 髙島屋+22%
  • MonotaRO+17%
  • イオン北海道+16%
  • 良品計画+14%
  • ファーストリテイリング+14%
  • 丸井グループ+12%
  • セブン&アイホールディングス+10%

  好業績の銘柄が並ぶ中、注目したいのが上位に並ぶ百貨店3社です。

 百貨店の足元の業績は未だ売上減少が厳しく苦戦が続いていますが、株価は底打っています。

  株式市場全体がアフターコロナを見越していると述べましたが、その典型例が百貨店株です。ワクチンの浸透によって百貨店のコアの顧客層であるシニア層の外出が可能になり、彼らの懐は株高による資産効果とこれまでの買い控えによって潤沢であることが株高の背景にありそうです。株価純資産倍率(株価と解散価値の関係を示唆する指標)が大幅にディスカウントであったことも買い手の安心感につながったと思います。インバウンドの復調を織り込むのはさすがに気が早い気がしますが、いずれ業績の押し上げ要因になっていきそうです。

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