ソフトバンク、今期営業利益予想を上方修正 テレワーク追い風

ロイター
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ソフトバンクとWeWorkのロゴ
2月4日、ソフトバンクは、21年3月期の連結営業利益(国際会計基準)予想を前年比6.4%増の9700億円に上方修正したと発表した。写真は同社とWeWorkのロゴ。2020年9月撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 4日 ロイター] – ソフトバンクは4日、21年3月期の連結営業利益(国際会計基準)予想を前年比6.4%増の9700億円に上方修正したと発表した。実現すれば過去最高を更新する。テレワーク需要の増大で法人事業でソリューション売り上げが増加、ヤフー事業でのeコマース取扱高やスマートフォン契約数も増加した。

IBESがまとめたアナリスト15人のコンセンサス予想では、21年3月期通期の連結営業利益の平均値は9483億円。

売上高予想は同4.9%増の5兆1000億円、純利益予想は同3.6%増の4900億円にそれぞれ上方修正した。いずれも過去最高となる。

宮内謙社長兼CEO(最高経営責任者)は同日の会見で、テレワーク需要を背景に法人事業やヤフー事業が想定を上回って進捗し成長をけん引したと説明。「非通信(の事業)が成長ドライバーになってきた」と強調した。「(デジタル化の流れが)一気にきた。もしコロナのパンデミックがなかったら5年や10年かかったかもしれない」との見方を示した。

宮内社長は今後「新領域を伸ばしたい」との意向を語り、スマホ決済のペイペイについて「ある証券会社から、これが(株式)公開するとこんなでかい、というような話をもらっている」と明らかにした。「もう一つヤフーを作るぐらいの価値はあると思っている」とも述べた。

ただ「公開するとかしないとかは全然、我々の判断ではない。そういう提案があったというだけのこと」と述べるにとどめた。

足元では、携帯料金の価格競争が激しくなっているが、会見に同席した宮川潤一副社長は、来期にかけて「たとえ料金が下がってコンシューマー(消費者向け)で少し痛手があったとしても、法人やその他の事業で何でもありで増益していきたい」と述べた。

20年4─12月期の営業利益は前年同期比5.8%増の8415億円だった。全セグメントが増収・増益で、3四半期累計として過去最高となった。

法人事業のセグメント利益は、前年同期比2割増で、ヤフー事業とともに成長をけん引。テレワーク需要増でスマホ契約やクラウド、セキュリティーサービスが伸びた。

消費者向けは、携帯電話の割引施策の実施や格安ブランドの契約数増で平均単価が下落し、モバイル売り上げが0.6%減少した。一方、ブロードバンドや電気が伸びた。流通事業では行政の大型プロジェクトを受注した。

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