コロナショックで時価総額を増やした企業、減らした企業ランキング  評価高まるドラッグストアのアフターコロナは?

椎名則夫(アナリスト)
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いずれ来るアフターコロナ、ドラッグストアは安泰か?

 新型コロナウイルスへの対応で外出制限がかかる間、つまり“ウィズコロナ”の環境においては、株式市場の業態別評価に大きな変化はないかもしれない。しかしいずれ予防や治療のメドがたち外出制限が緩和される局面がくるはずだ。株式市場の本質は先読みであるとして、“アフターコロナ”の局面でドラッグストアの株式時価総額は安泰といえるのか。

 常識的には外出規制が緩和されるにしたがって経済活動が平常化し、人の流れも消費の中身のビフォーコロナに回帰すると考えたくなる。この結果、ドラッグストアの評価は下がっていく、そう考えるのが自然だ。

 しかし、筆者にはそれはと逆にさらに評価を高めるシナリオがありうると考えている。いくつか列挙してみたい。

1. ドラッグストアの集約がさらに進み、スケールメリットを消費者も株主も享受できる可能性。

2. 面分業の評価上昇。仮にオンライン診療が定着すると、診療所に近い門前薬局に処方箋を持ち込む必然性が低下する可能性。

3. リモートワークがアフターコロナでも定着。労働生産性の可視化が進み、消費者が雇用リスクや給与リスクをこれまで以上に意識するようになり、生活防衛色がさらに強まる可能性。他の業態にはない医薬品という利幅の大きい商材をテコに非医薬品の価格訴求が奏功を続ける可能性。

早晩、業際の垣根が問われることに

 とはいえ、これは小売業界のおける業態間のパワーバランスの変化につながり、特にコンビニやEC事業者などから医薬品の流通に関する規制緩和論争を再燃させることになるだろう。そこまで展望するならば、ドラッグストアは競争力と発言力をできる限り強めておく必要がある。ドラッグストアの集約は案外素早く進むことにつながるのではないだろうか。

 最後になりますが、みなさま、改めてStay Remote & Carry On!

 

プロフィール

椎名則夫(しいな・のりお)
都市銀行で証券運用・融資に従事したのち、米系資産運用会社の調査部で日本企業の投資調査を行う(担当業界は中小型株全般、ヘルスケア、保険、通信、インターネットなど)。
米系証券会社のリスク管理部門(株式・クレジット等)を経て、独立系投資調査会社に所属し小売セクターを中心にアナリスト業務に携わっていた。シカゴ大学MBA、CFA日本証券アナリスト協会検定会員。マサチューセッツ州立大学MBA講師

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