総売上高が2年で1.7兆円減少!最新決算前にGMS2022年度決算を振り返り!

兵藤 雄之
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2022年度、3期ぶりに黒字化したイオンリテール

 間もなく、23年度本決算が発表になる。各社決算発表の前に、22年度決算での売上ランキングはどうなっていたのか、ここで振り返っておこう。

図表●2022年度GMSの売上高ランキング

 売上首位はイオンリテール。23年2月期の売上高は対前期比3.6%減の1兆7515億円と減収だったが、営業利益は3期ぶりに黒字化、最終赤字幅も前期から縮小している。背景にあるのは、衣料品やH&BCなど非食品の売上高の伸長だ。さらにAIの活用や在庫最適化による粗利益率の改善などに取り組み、大幅な損益改善を実現したことも奏功した。

 2位のイトーヨーカ堂は、新収益認識基準会計の適用に伴い、31.7%減の7293億円。総額売上高では前期並みだった。

 3位はイオン九州。前年3位のイズミが新収益基準適用により売上高が大きく目減りしたこともあり、前年の5位からランクアップした。23年2月期の売上高は4844億円(新収益認識基準適用前の数値のため、前期との比較はなし)。原材料が高騰するなかでも価格維持に努めた。消費者の簡便・即食ニーズに対応した総菜や冷凍食品の品揃えを拡充したところレジ通過客数が増加し、堅調な売上につながった。

 4位はユニー。7店舗を業態転換、同じPPIH傘下のUDリテールに移管したことも影響し、22年6月期の売上高は4.1%減(旧基準の前期実績との比較)の4725億円、純利益もほぼ半減だった(49.9%減)。

 5位は売上高3712億円(新収益認識基準適用前の数値のため、前期との比較はなし)の平和堂(滋賀県)だ。“GMSの優等生”として業界トップクラスの収益性を誇ってきたイズミは新収益基準適用の影響を受け、前年から3ランクダウンの6位となった。

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