イチゴや桜だけじゃない! 多国籍化する春のスイーツ商戦とは

フードライター:笹木理恵
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フランスのエイプリルフールは「ポワソン・ダブリル」!

「ジョエル・ロブション」の各店では例年、「ポワソン・ダブリル」を販売
「ジョエル・ロブション」の各店では例年「ポワソン・ダブリル」を販売(画像提供/ジョエル・ロブション)

 また、近年フランス菓子店を中心に広まりつつあるのが、「ポワソン・ダブリル」という魚のかたちのスイーツだ。エイプリルフールである4月1日のことをフランスでは「ポワソン・ダブリル(Poisson d’Avril)」と呼び、子供たちが魚の形に切り取った紙を誰かの背中に貼っていたずらをしたり、魚をモチーフにしたお菓子を食べたりする習慣があるという。

 魚のかたちをしたお菓子は、チョコレートやケーキ、パイなどがあるが、日本でよく見られるようになったのは魚を形をしたパイだ。季節柄、具材にいちごが使われることも多く、それぞれの職人の個性あふれるデザインとともに、スイーツファンを中心に年々注目が高まっている。

 一昔前、スイーツ業界で3月のメインイベントといえば「ホワイトデー」だったが、バレンタインデーの義理チョコ文化が廃れ、自分へのご褒美チョコが主流になってきたことから、ホワイトデーのインパクトが薄まりつつあると筆者は感じている。

 新年に食べるフランスのお菓子「ガレット・デ・ロワ」が年々知名度を得ているように、イースターやポワソン・ダブリルといった海外の文化に由来するスイーツが、ホワイトデーに代わる新たな春の販促商品として浸透していくかもしれない。

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