イオンが「トップバリュ」の”価格年内凍結”を宣言した背景

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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「早めの仕掛け」で年末商戦に備える 

イオン執行役商品担当の西峠泰男氏
イオン執行役商品担当の西峠泰男氏

 今回の”価格凍結宣言”は、3カ月後に迫った年末商戦を見据えた戦略とも捉えられる。コロナ禍に入って2回目となる年末年始は、ワクチン接種が進んではいるものの、昨年同様に「家で過ごす」というスタイルが主流となる可能性が高い。そうしたなかで食品小売店に対する需要は今年も期待できるものの、同業間の競争はより厳しくなりそうだ。そのなかで重要な差別化ツールとなり得るのはやはり「価格」ということになる。西峠氏は「(同業他社に先んじた)早い仕掛けが必要。年末商戦を迎えるまでに、お客さまに(価格面で)安心して買物していただけるようにしたい」と語る。

 一方で、原材料の高騰というトレンドは一過性のものではなく、中長期的な経営課題でもある。今回の価格凍結に際しては仕入れ先や調達ルートの大規模な変更は行っていないが、「中長期的には見直す必要も出てくるだろう」と西峠氏。”価格凍結”はコロナ禍の消費動向を踏まえた一イベントではなく、イオンの今後の中長期的な価格戦略の布石となるかもしれない。

 

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