キリンHD、6000億円自社株買いなどの株主提案に反対

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2月14日、キリンホールディングスは、総額6000億円の自社株取得などを求める投資会社フランチャイズ・パートナーズからの株主提案について反対することを決議したと発表した。写真は横浜で昨年6月撮影(2020年 ロイター/ISSEI KATO)

[東京 14日 ロイター] – キリンホールディングスは14日、総額6000億円の自社株取得などを求める英投資会社インディペンデント・フランチャイズ・パートナーズ(IFP)からの株主提案に反対すると発表した。同日開催の取締役会において全会一致で反対を決議した。自社株取得に関する提案内容は「非現実的」としたほか、役員報酬改定や取締役選任に関する提案にも反対した。

IFPの自社株取得に関する株主提案は、発行済み株式総数の約3割という大規模な自社株取得を提案するもので、キリンHDが傘下に入れたスキンケア事業のファンケル、医薬事業の協和キリンの株式を売却して自社株買いの原資とすることが前提。キリンHDはビール事業に集中すべきとし、多角化戦略を修正するよう迫っている。

磯崎功典社長は同日の決算会見で、この株主提案に反対した理由について「将来の日本の少子高齢化、若者のアルコール離れ、WHO(世界保健機関)による世界的な規制を考えた場合、果たして本当にビール事業だけをやっていて持続的な成長を果たせるか」と疑問を呈し、取締役全員一致で「NO」だったと説明した。

その上で、創業以来、発酵バイオで培ってきたビール事業、その発酵バイオによるヘルス・サイエンス事業、医薬事業など多角化していくほうが「多くのステークホルダー(利害関係者)にとってためになり、持続的な発展に資する」と反論した。

キリンHDによると、IFPからはこれまで複数回にわたり要求を受け、面談も行っており、今年1月に正式な株主提案の書簡を受け取った。IFPは6年ほど前からキリンHDに投資しており、直近で2%程度の株を保有しているもようだ。株主提案を受けたのはキリンビールとして創業した1907年以来初めてという。

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