10カ月で6店舗出店! 浅草ドミナント急拡大中の「神戸牛ダイア」、急成長の秘密

千葉 哲幸 (フードサービスジャーナリスト)
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コロナ禍を乗り越え、インバウンドで再び盛り上がる・東京・浅草。その浅草で最近目立つようになっているのが、「神戸牛ダイア」の看板だ。看板には「KOBE BEEF STEAK」「Steak on the Rice」「SASHIMI」などの文字が写真付きで書かれている。
この看板を掲げる店が浅草に初めて出店したのは2022年12月のこと。新仲見世商店街の松屋寄りにある「浅草1号店」を出店して以来、「雷門東店」「観音通り店」「浅草楽天地店」「雷門西店」「国際通り店」と、2023年9月末までに、浅草エリア内に計6店舗を出店。さらには「ドン・キホーテ」などがある通称「浅草六区」に7店舗目を出店予定だ。
これらを展開しているのは神戸に本拠を置く、「神戸牛 吉祥吉グループ(以下、吉祥吉グループ)」だ。グループ全体で神戸牛を切り口とした8業態50店舗を展開する吉祥吉グループ。東京での店舗展開は2023年3月に設立された事業会社、神戸牛ダイア(東京都)が担う。

2022年12月、初めて浅草に出店した「浅草1号店」。9坪2フロアで坪月商120万円を超える

神戸牛には「無限の可能性」がある

 吉祥吉グループの代表を務めるのが、現在62歳の赤木清美氏だ。1998年から神戸で小料理屋を営んでいた同氏。店舗が手狭になったことを理由に、2004年に店舗を移転し、移転先では「神戸料理」をテーマに、春は天然の鯛、夏は鱧、秋冬は松茸とフグといった高級食材を扱い、「居酒屋よりちょっと上の商売をしていた」(赤木氏)という。

 そうした日々を送る中、あるときメディアから「神戸牛を扱っているか」という問い合わせがあった。このとき店では神戸牛を扱っていなかったが、赤木氏はとっさに「扱っている」と答えてしまったという。そこから神戸牛の仕入れを本格的に開始し、神戸料理専門店から神戸牛専門店にリニューアルオープン。2008年4月から神戸牛を専門に扱う「神戸牛吉祥吉」の店舗展開がスタートする。

吉祥吉グループ代表の赤木清美氏、「神戸牛」を切り口とした飲食店のドミナント展開で業容を拡大してきた

 2010年代に入ると、吉祥吉グループは出店を加速し、2014年に6店舗、2015年には10店舗を一気にオープン。出店地のほとんどが神戸と大阪で、インバウンドの「爆買いブーム」にも乗って勢いをつけた。ピーク時は大阪・道頓堀に17店舗を展開していたという。

 吉祥吉グループが東京進出を決めたのは、赤木氏の知人からの紹介からだそうだ。神戸・大阪で繁盛していたこともあって、「神戸牛はどこでも儲かると思っていた」(赤木氏)とのことだが、この考えは外れ、東京に出店した最初の2店舗のうち1店舗は閉店することになった。

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記事執筆者

千葉 哲幸 / フードサービスジャーナリスト
柴田書店『月刊食堂』編集長、商業界『飲食店経営』編集長を歴任するなど、フードサービス業界記者歴ほぼ40年。業界の歴史を語り、最新の動向を探求する。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社、2017年発行)。

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