ゴルフ、外商、ロボットにプロレス!?新宿高島屋の売上が過去最高に迫る納得の理由

2023/07/20 05:55
堀尾大悟
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従来の「高島屋」のイメージとは一線を画した店舗運営

ロボティクススタジオ
ロボティクススタジオ

 旧国鉄の貨物駅跡地の再開発に1996年に開業した「タカシマヤタイムズスクエア」の中核店舗としてオープンした新宿高島屋。旗艦店である「日本橋」のイメージが強い高島屋が新宿エリアに初進出したことも当時は話題となった。以来、日本最大のターミナル駅・新宿駅に近接し、広域から多種多様な人々が訪れるエリア特性をふまえ、主にファミリー層を中心としたMD戦略や店舗運営を進めてきた。

 そのMD戦略が反映されているのが、ベビー・子供服の売場だ。直近では希少性の高い海島綿やカシミヤ素材を用いた子供衣料ブランド「ミキハウス ゴールドレーベル」など高価格帯のアパレルブランドを充実させるとともに、出産や育児の相談を受ける接遇スペース「すくすくラウンジ」をオープンし、小さい子供を持つファミリー層のニーズに柔軟に応えている。

 さらに、新宿高島屋は、その客層の幅広さを活かし、テストマーケティングの場として高島屋社内の新たな試みを積極的に展開している。

 一例として、201710月には、百貨店業界ではいち早くロボット専用ショップ「ロボティクス スタジオ」をオープン。「LOVOT」「ロボホン」などの家庭用コミュニケーションロボットは幅広い年代に支持されてファンが増え、当初は10㎡だったスペースが現在では70㎡に拡張。ロボット用の試着室やフォトスポットなども備え、多くのファンが集う“聖地”ともいえるコミュニティを形成している。

 20224月には、高島屋では初のショールーミングストア「Meetz STORE(ミーツストア)」がオープン。一般的なショールーミングストアと異なり、専門の販売スタッフによる接客を重視した店舗運営が特徴だ。従来の「高島屋」のイメージとは一線を画するユニークな取り組みを続けてきたことが、長いコロナ禍を経て徐々に実を結んでいるようだ。

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