ゴルフ、外商、ロボットにプロレス!?新宿高島屋の売上が過去最高に迫る納得の理由

2023/07/20 05:55
堀尾大悟
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職業体験、プロレス……リアルならではの体験価値に注力

プロレスショー
プロレスイベントの様子

 コロナ禍が一段落してからは、積極的にリアルイベントを開催。子供がさまざまな職業体験ができる「おしごと体験」はファミリー層に人気のイベントで、今年のゴールデンウィークでは延べ450人の子供が参加した。

 1階に設けられたイベントスペースも、多種多様な顧客が集う新宿高島屋を特徴づけるファシリティの一つだ。今年5月には、地元・新宿に拠点を置く人気プロレス団体「DDTプロレスリング」とのコラボレーションでプロレスイベント「Dramatic Dream Takashimaya Vol.1」を開催。百貨店とプロレスの“異色タッグ”のアイデアは若手女性社員が企画・実現したもので、立ち見が出るほどの盛況となった。

 こういった、単なる販売という「モノ消費」にとどまらず、さまざまな体験ができる「コト消費」も充実させたことが来店動機となり、「来客数だけでなく、高島屋カードの会員比率も上がっている」(増井氏)。一時的な集客効果にとどめず、LTVを高めることを意識した企画や施策が奏功しているようだ。

 店長として、店内で共有される顧客からの声にすべて目を通し、自ら定期的に売場にも立つ増井氏。直に顧客と接しながら「『販売員の方に会えてよかった』『相談に乗ってくれてありがとう』といった好意的なお声が増えている」と語る。

 「コロナ禍を経て人々の消費行動がECに大きく傾いたが、リアルな場だからこその空気感やおもてなしなどの購買体験の価値が見直されているのを感じる」

 百貨店ならではの買い回りの魅力に加えて、相談機能やコミュニティ機能、イベントなどのエンターテインメントなど、リアルならではの体験価値を総合的に高めたことが、コロナ禍からの“超回復”につながっているようだ。

高島屋新宿店長
執行役員 新宿店長の増井大輔氏

 「800億円はまだ通過点。お客さまの声を参考にさらに店舗の魅力を上げて、着実に存在価値を高めたい」

 増井氏の言葉には力がこもる。日本最大の商業エリア・新宿・渋谷で百貨店の勢力図が大きく変わる中、存在感を高めている新宿高島屋の次の一手に注目が集まる。

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